LOHAS Style
【New】Lohas Style vol.3 映像作家/監督・小松真弓さん<後編>
映画「たまたま」で脚本・監督デビューを果たした小松真弓さん。実は会社員時代に、蒼井優さんと出会った「KIRIN 午後の紅茶」など、300本以上のCMを手がけています。40歳を機にフリーとなったワケ、そして小松さんのプライベートとは?
――この映画「たまたま」がフリーになって初の長編作品ということになるんでしょうか?
いいえ、フリーになったのは先月の9月で、この映画を撮っているときは実はまだ会社員なんですよ。映画を作り始めたのは2年前で、その時は辞めることなんて考えてもいませんでした。タイミング的にフリーになってからの公開となるのでそう見えますが、それも偶然、”たまたま”なんです。
――フリーになると決意したいきさつやそのときの気持ちを教えていただけますか。
私、仕事が大好きで、会社も大好きで、ネガティブな気持ちで辞める理由なんか本当はなにもなかったんです。入社当時は手に負えなくなるくらい社会人として無茶苦茶だったみたいで、みんなに迷惑をいっぱいかけて、しっかりお説教してもらって、立派に育ててもらったので、めちゃくちゃ感謝しています。でも、私は自分のことをまじめでいい子だなと思っているんですけどね(笑)。
ただ、フリーになって働くのが小さな頃からの夢があったんです。それで、もうすぐ40歳の誕生日がくるっていう直前に、「人生は一度きりだし、今辞めないとその夢が叶えられないな」といきなり思って、おもいきって「辞めます!」って言っちゃったんです。とってもビックリされました(笑)。
会社に守られていたのも人一倍わかっていたし、みんなのことも大好きだし、このまま楽しく過ごせばいいのに、もっと、もっと、冒険して自分を成長させていきたかったんです。広い世界にでて自分に何ができるのかチャレンジしてみようって。
あと、会社にいた時はかなり忙しすぎて、自分をかまうヒマが全然なかった。次の仕事場へ向かうタクシーの中で打ち合せをするような毎日。一日30時間欲しいと常に思っていました。お風呂と眠るのだけが唯一の楽しみという生活でしたね。
それはそれで楽しかったんですけどね。
――会社を辞めるということに迷いや不安はありませんでしたか?
迷いましたよ、もちろん。「次の仕事来るかなあ」って不安はありますよね。でも、そればかり考えてたら会社なんて辞められない。ネガティブなことを考えて辞めるより、ポジティブな気持ちで辞めるほうがいいなあ、と思いました。
映像の演出という仕事は天職だと思っているのですが、「いざとなったら、全然職種の違うバイトとかできる?」って自分に問いかけた時、「OK、だいじょうぶ」って思えたんですね。それで決心がつきました。
本当にいい会社で、辞めて行く私のためにちゃんと体育館を借りて「卒業式」を開いてくれました。私、ちゃんとハカマ姿で。会長は体育の先生のコスプレしてくれて、私の唯一の師匠の中島信也さんが校長先生として卒業証書を授与してくれて、ものすごく本気の卒業式をしてくれました。こんな会社は他にはあり得ないと思います。ホントにホントに感謝してもしきれないですね。
だから、おもいっきりカッコイイ人になって、恩返しをしまくりたいんです。カッコイイ人というのは、仕事だけをバリバリするキレキレの人ということじゃなくて、とっても気持ちの良い人って意味なんですけど。

――フリーになって変わったことなどはありましたか?
まだなりたててよくわからないんですが、携帯を常にかけているわけではなくなったので、タクシーで移動することが必須ではなくなって、電車に乗ったり、歩いたりしているのが、たまらなく新鮮で嬉しいです! ゆっくりご飯食べたり、散歩したり、たまにはサーフィンしたり、そんなことをこれからもっと楽しみたいですね。ずっとかまってあげられなかった自分をかまってあげたいです。あとは、資料としてじゃなく、普通に映画を観るとか…、そんなささやかなことばかりです。
――超多忙な会社員時代、オンとオフの切り替えはどのようにしていましたか?
オフの時間は少なかったけれど、ある意味切り替えはうまくできていたと思います。大げさではなく、睡眠の時間がオフだったから、シーツとか枕とか、寝具にはこだわっていました。眠りは重要ですね。
――小松さんのリラックスタイムとは? また、これからしてみたいことについて教えてください。
私は出身が茅ヶ崎で、海が大好きなんです。地元にいた頃は何とも思わなかったのですが、離れてみると、時々ものすごく海が恋しくなる時があります。海に行くと理屈抜きでリラックスしますね。これからは、サーフィン上達のために海通いの日も増やしたいです。あとは、旅ですね。もっといろいろな国を訪ねて、いろんな人に会ってみたいです。
――最後に、MYLOHAS読者にメッセージをお願いします。
『たまたま』だと思ってることは、本当は『たまたま』じゃないかもしれない。『たまたま』じゃないと思っていることは、本当は『たまたま』かもしれない。実はそれはどちらでもよくて、その『たまたま』と出会って、何をどういうふうに感じて、どう動くのか? ということが気になるんです。
この映画を見に来て、たまたま隣り合った人同士に何かがはじまっても面白いし、そんなことが起こるかもしれない。
偶然とか、今ここにあることって、実はすごいことだと思うんです。その“たまたま”をいつも大切にしたいきたいなあと、私自身思いますし、みなさんにもぜひそう感じてもらえたらうれしいです。
蒼井優さん主演映画の舞台裏とは?
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取材・文/菅野和子 小松監督写真/小林みのる
公式サイト:http://www.tamatama-project.com/
2011年10月15日(土)公開
【STORY】
たまたま=偶然の出会いや人と人とのつながりによって生まれる日常の小さな奇跡や希望を、アイルランドの美しい風景にのせて描く。主人公(蒼井優)の旅の目的とは? そして旅の最後に見つかる希望とは?
主演:蒼井優 監督・脚本:小松真弓
音楽:高木正勝
主題歌:Sigur Rós “Inní Mér Syngur Vitleysingur”
劇場:渋谷シネクイント、梅田ガーデンシネマ、センチュリーシネマにて
予告編映像が視聴できるiPhoneおよびAndroid対応アプリが無料ダウンロードできます。同アプリでは、アイルランドでの蒼井優さんの写真ギャラリーなども閲覧できます。
http://itunes.apple.com/jp/app/id462062764?mt=8
(C)2011イトーカンパニー/ポニーキャニオン

小松真弓さん
映像ディレクター。1971年、神奈川県茅ケ崎市出身。武蔵野美術大学造形学科卒業後、東北新社入社。CMディレクターとなり、今までに300本以上のCMを手がける。主な仕事に、「KIRIN 午後の紅茶」「kanebo freshel」「ariel」「meiji」「富士通(fシリーズ)」「「mos burger」など。今年9月に独立し、フリーランスとなる。













