―最新刊の『タニアのドイツ式キッチン』では、ドイツの家庭のインテリアの写真が多く紹介されています。古いものと新しいもの、ナチュラルなものとヴィヴィッドなもの、いろんなものが同居する、個性的な空間が印象的です。
「たぶん、ドイツ人は日本人ほど他人がどう思うか気にしないんです。自分がいいと思ったらいい。人になんと言われようと、自分は好きだから、で終わっちゃう人たちなので。だから好きなようにできるんでしょうね。日本人はどう思われるか気にするところがあると思いますが、ドイツ人は個人主義の人が多いので。なので、とても個性的な人が多いですね。
似ている部分もたくさんあるんですけどね。時間通りに来るし、約束をしたら必ず守るし、仕事もきっちりするし。日本人と大事な部分では似ている気がします。
ただ、だらだらしない。メリハリをつけてするので、仕事をするときは一気にして、途中で無駄なことはしません。自分の仕事がおわったらさっさと帰ります。日本から行くとこれでいいんだと驚くこともありますが、うらやましいですよ」
―ドイツ人の週末の過ごし方はどんなものなのでしょうか。
「週末はお店がやっていないので、ショッピングへ行くのではなく、公園へ行ったり、家族でピクニックへ行ったり、文明と離れて過ごしてリフレッシュします。
お店の営業時間が限られているから、買い物も目的を持ってするので無駄が少ないのかもしれません」
―『タニアのドイツ式キッチン』の中でも、数々のドイツの家庭を訪問し、キッチンを見てきた多仁亜さん。そんな多仁亜さんの居心地のよいキッチンにするためのアドバイスを。
「まずはモノを減らす(笑)。日本の家は比較的モノが多いですね。冷蔵庫には市販の調味料もいっぱいあって。そういうものはけっこうかんたんにつくれることが多いんですよ。
いろんなものを知っている分だけ、日本人は欲張り。今日は中華料理、明日はタイ料理、家ではフレンチも和食も……そうなるとやっぱりモノが増えますよね。もっとシンプルにできると思いますよ。別に毎日豪華な食事をする必要もないですし。
自分で毎日つくれるようなレシピがいくつか頭に入っていれば、たいへんな思いをする必要もないですし。もっとかんたんに健康的な食事ができるんじゃないかな。みんなたいへんなことをしすぎているんじゃないのかな? 週末はちょっと豪華にするなどして、メリハリをつければいいんじゃないかと思います」
―シンプルに。心地よく。キッチンのみならず、多仁亜さんのライフスタイルはそんな言葉がよく似合います。
「ムリをしないで生きていきたいですね。もっと楽に生きていけると思うんです。ドイツ人の暮らしも質素だけれど、幸せですからね」
撮影協力:t.y. harbor brewery(ティー・ワイ・ハーバー ブルワリー)


