2004年にオーガニックコンシェルジュ協会を設立し、日本第一号の「オーガニックコンシェルジュ」としてますます活躍の幅を広げている岡村貴子さん。専門分野であるオーガニックのことをはじめ、実践されているエコライフについてお話を伺いました。
エコは世界共通の大きな課題
もう“ブーム”では片付けられない
―ここ数年でオーガニックという言葉自体がかなり浸透し、オーガニック製品の取り扱い店や、情報もずいぶん増えました。最近はどのような活動をされていますか?
6月にオープンした港区エコプラザという施設で、港区民や近隣で働く人たちを対象に、オーガニックに関するレクチャーをしています。ここは環境に関する情報を得たり、イベントを通じて交流ができるという新しい空間で、「CO2フリー」「オーガニック」「森づくり」という3つのテーマが柱になっています。
施設内には木がふんだんに使われているのですが、港区が地球温暖化対策として取り組んでいる、あきる野市の「みなと区民の森」から切り出した間伐材によるもの。港区というと、高層ビルが立ち並んで緑が少ないイメージがありますが、住民の方の環境に関する意識はとても高いですね。イベントを開催するとすぐにたくさんの人が集まるのには驚きました。
エコプラザのオープニングレセプションでは、フランスやイタリアから輸入したオーガニックのハムやチーズが並んだのですが、以前から「オーガニックだったらフードマイレージは関係ないのか」「輸送の際にCO2をたくさん出しているじゃないか」という質問をよく受けていましたので、その解決策のひとつとして排出したCO2をオフセットするという取り組みを実施しました。レセプションで供したハム、チーズ、ワイン。これらを輸入する際に排出したCO2の量が260kg。それをオフセットするにあたって300kg分をmore treesが保有する森林吸収源を使用して削減しました。この内容をわかりやすく書いたPOPをハムやチーズの隣に設置することで、参加者の理解を深めることができました。よく問題視されていた点をこのようにクリアにできたのは、とても意義深いことだったと思います。
―オーガニックのものを選ぶことがきっかけで、エコに関する意識が高くなった人も多いと思います。先日の洞爺湖サミットでもますます注目を浴びているエコ問題に関して、どのようにお考えでしょうか?
日本では、オーガニックもロハスもブームという言葉で片付けられがちですが、エコはどう考えてもブームではなく、解決しなければいけない大きな課題。しかも、世界共通のテーマです。先進国だけではなく、人種も宗教も国境も超えて同じテーマをみんなで考える。コミュニケーション不足の世の中だからこそ、環境のことを考えながらみんなが手を動かし、考えるということは、とても意義のある素晴らしいことだと思います。
―最近はゴミの分別やリサイクルについて問題提起をするテレビ番組や書籍が増え、何を信じればよいのか混乱している人も多いと思います。岡村さんは「情報に振り回されないで“マイ・エコ基準”を持とう」と提案されていますが、ご自身の「エコ基準」は何でしょうか?
私も含め、メディア側の人間は正しい情報を発信する義務があります。環境問題は地球全体に関わることですから、惑わすような情報を流すのではなく、もっと繊細に扱う必要があると思いますね。
私自身の基準としては「世の中のモラルや常識を守る」ということで自分を納得させ、自治体のルールに従っています。ゴミを分別して捨てた先がどうなっているのかは、回収に関わっている人にしかわかりませんから……。
マイ箸に関してもさまざまな意見がありますが、わざわざ買わずに家で使っているお箸を持ち歩けばいいんですよね。エコバッグも同じで「気がつけばエコバッグだらけ」という人も多いのではないでしょうか。本当に必要なものを見極め、まずは無駄を省くことが大切だと思います。
