高品質で素朴なものづくり
松山油脂株式会社
女性たちに支持されている松山油脂の石けんや化粧品。最近では一部のコンビニでも取り扱われるなど手軽さも人気のひとつです。松山油脂は今年で創業100年を迎えます。もとは石炭や薪などを扱う商社でしたが、戦後から石けん製造に携わるようになりました。
同社の製品はできる限り、界面活性剤や鉱物油、香料、着色料などの添加物を使わず、天然由来の成分を使用し、昔ながらの釜焚き製法で約100時間かけて焚き上げます。こうしてできあがったものが松山油脂の基本でもある「無添加せっけん」です。純石けん分98%で、釜を焚いている間はスタッフがつきっきりという手づくり感のある石けんなのです。
「石けんは工業製品です。安全面や品質はもちろん大事です。でもただの工業製品にはしたくないのです。そこに誰かがつくったという感じが残るもの、スタッフがこの商品は自分がつくったと胸を張っていえるような製品づくりをめざしています」と社長の松山剛己さん。
この「無添加せっけん」から始まったMシリーズをはじめ、その後天然成分や植物の精油などを配合したボディケア・ヘアケア・スキンケア商品が次々に登場。33の直営店で販売されている「マークス&ウェブ」の商品も松山油脂でつくられています。
こうした製品がつくられる工場が、東京の墨田区と山梨の富士河口湖町にあります。2006年に完成した富士河口湖工場ではグリーン電力証書を購入し、年間28万kWhの風力発電の普及に貢献しています。また梱包の際に使うダンボールもこれまでは東京都内の協力会社から買って運んでいたのを、富士河口湖工場のそばで調達するようにしました。
製品づくりにはできるだけ工場近くのものを利用したいと松山さんは考えています。つまり製品にも地産地消を取り入れる。容器を海外から購入する計画もやめました。遠くから材料を調達すればそこには必ず燃料が必要になります。そうしたむだな環境負荷を減らすことにしたのです。
「グリーン電力はお客様にアピールする気持ちもありますが、当社で働くスタッフにとって、よい刺激になったと感じています。風力発電の普及に協力する、そうした選択をした会社で働くのだから自分たちもできることをしよう、という意識が高くなったように思います」
100周年を記念して発売を予定している新ブランド「ミレニアム・マザー・シリーズ」ではフランスのオーガニック農場で育てた完全無農薬、無化学肥料の植物から蒸留抽出した精油を採用します。
「ゆくゆくは原料も自分のところで育てたいと考えています。自分たちの目の届く範囲でいいものをつくりあげるのが理想です」
いいもの、いいことは活用していこう、やってみよう、という姿勢が感じられる松山油脂。フットワークの軽さがすがすがしいのでした。



