ユニチカ株式会社が開発、製造しているテラマックは、次世代のエコ素材です。というのは、一見すると石油からできたプラスチック製品と同じですが、実はとうもろこしなどのデンプンを原料としているバイオマス素材なのです。
開発のきっかけは、約20年前の石油危機と、公害や廃棄物処理の問題に直面したこと。その後、15年前にアメリカのカーギル・ダウ社(当時)が原料となるポリ乳酸をとうもろこしから安定供給しはじめたことで、ユニチカで本格的にテラマックの開発が進み、普及するようになりました。
テラマックのエコな特長は主に3つ。まず、原料が石油などの化石燃料ではなく、とうもろこしなどの植物なので、化石燃料のように枯渇することなく、原料が毎年収穫、供給され続けます。また、原料のとうもろこしからポリ乳酸のチップを作る時に出る二酸化炭素(CO2)排出量が化石燃料から作る時より少ないので、製造段階も環境に優しいです。さらに、テラマックから作られた製品は使われた後に廃棄され、焼却などによってCO2と水に分解されるのですが、そのCO2排出量はトウモロコシなどの原料の成長中に吸収したCO2と同じ量なので、CO2排出量はプラスマイナスゼロとみなされます。よって、地球温暖化対策にもなるのです。
では、テラマックはどんなところで使われているのでしょうか? テラマックは、フィルムやシート、繊維、不織布、樹脂など様々なかたちに加工されるのですが、使用されるのは、よく目にするものばかり!
例えば、ドコモの請求書が送られてくる窓付き封筒の窓の部分で使われるプラスチックフィルム。よく読むと封筒に植物由来のプラスチックだと明記してあります。スーパーのイオンやいなげやなどでは卵パック、トマトの容器、食品掛けラップに、ローソンやファミリーマートなどのコンビニでもサラダ容器、さらにカップ麺などでもテラマックが使われているそうです。他にも、繊維からタオルや枕の中綿、水切りネット、ティーバッグが作られ、樹脂から携帯電話やコピー複写機の部品、漆器椀などが作られています。
「企業の環境対策として、テラマックのような植物由来のプラスチックを使用するケースが増えています。ただ、入れ物をじっくり見る方は少ないので、なかなか気づかれないんですよね。日常生活の中で植物由来プラスチックを探してみると、いろんな発見があっておもしろいと思いますよ」(テラマック事業開発部主任部員 藤森邦昭さん)。
今後は、パソコンのパーツ、自動車部品などの分野や、抗菌性が強いという特性を活かしたアンダーウエアの開発に、力を入れていきたいそうです。これから、ますます増えていくテラマック。まずは日々の生活で、テラマックのような植物由来プラスチックを探すことから始めてみては?
取材・文:阿久津美穂(Slow Media Works代表)


