古くから日本の避暑地として発展してきた軽井沢。その地で創業から100年あまりを経た星野エリア。このリゾートを運営する代表の星野佳路氏は「自然と人間の共生」というテーマに着目、早くからエコロジーを意識した事業展開の準備にあたってきました。
まず、社内にゴミ「ゼロ委員」を配置しリゾート地からゴミを減らそうと努めています。このプロジェクトが始まった99年、軽井沢のホテルでの廃棄物処理費用は2年で2倍に急増。経費削減も環境配慮も同時に行う必要があるとゴミの計量からスタートしました。
ゴミゼロの意識を高める工夫として、正しく分別されていないゴミにはレッドカード発令、その部署も公開されます。また「ゴミカツ」というウェブ上でのゴミ分別ゲーム実施週間があります。誰がどのぐらい分別の知識があるかが一目瞭然のゲーム。公表されるので全社員その週は自ずと熱が入ります。
現在、軽井沢のホテルから出た生ゴミは社員により異物が入っていないかチェックされた後、近くの田中牧場で100%堆肥化。できた堆肥は有機トウモロコシの栽培に利用されます。
分別ができているようで時々スプーンやフォークなどが混ざっていることも。異物が入っていると堆肥化する作業が困難になります。異物混入の報告は全社員に通知し分別がいかに大切かを伝えていきます。
また「ホテルブレストンコート」では結婚式のウェディングメニューを当日選ぶことができます。その日の体調などで和食、洋食と決めたい時がありますよね。お客さんは13種類のバリエーションから食べたいものを選びます。満足度がアップすると同時に食べ残しも減らすことができました。
2005年にオープンした「星のや 軽井沢」では業務に使うエネルギーのほぼ75%を自然エネルギーで自給しています。敷地内にある3カ所で水力発電機を稼働、電力の50%をまかないます。さらに地中熱利用も導入しました。地中の熱を地下からくみ上げ、温泉の排湯熱と組み合わせることでホテルの給湯と暖房をまかなっています。
軽井沢の自然を案内してくれる「ピッキオネイチャーツアー」では、森にすむ生き物の調査を行うことで自然の仕組みや営みを解き明かし、本物の自然の魅力を伝えています。ツアーは毎日開催、いつでも誰でも参加できるものと、もうひとつ「星のや」宿泊者専用のエコツアーがプレミアムなのです。ピッキオしか知らないとっておきの場所へ出かけ、満天の星空を眺めたり、プレミアムツアーの中には、森の中でサプライズな食事が用意されていることも。自然に癒されながら本格的な食事が楽しめるという心憎い演出です。
自然を大切にしながら非日常を楽しめる旅、なんて贅沢でステキ。
(取材・文 鞍作トリ)




