折しも花粉症まっさかり。「でもスギだけが悪いんじゃない」と話すのは株式会社土佐龍(本社・高知県)の池龍昇社長。
「適材適所の植林をせず、いろんなところに勝手に植えてしまった。だからスギ花粉が全国に舞うようになってしまったのです」
高知県の四万十ヒノキを使った商品を作り始めたのは今から約26年前。もとは四国のおみやげなどを作っていましたが、日常に使えるものを高知ならではの地元材でつくろうと思案して生まれたのがこの四万十ヒノキシリーズ、キッチン用品からバス用品、雑貨などのアイテムがそろいます。
ヒノキにはアルファピネン、ボルネオールという成分が含まれていてカビや雑菌を防ぐ働きをします。こうした特性を活かし、まな板やテーブルウェアと呼ばれるプレートがつくられました。
「まな板でも何でもプラスチックではカンカンという硬い音がしますね。木の板だとトントン、というやさしい音がする。そういう板でごはん作ってみたらきっといい味になりますよ」
白磁の食器とヒノキの組み合わせがおしゃれなプレートは、なんてことのないふだんの食事もなんだかとってもゴージャスに見えるから不思議です。
お風呂周りの小物も多彩なラインナップが並びます。見ているだけでもステキなお風呂で使えるキャンドルバーや石けんおきのソープレスト。
「お風呂はただ汚れを落とす場、ではなくリラックスしてほしいと思うんです。楽しんでもらえればいいなと」
これらにもヒノキの抗菌パワーが発揮され、かつヒノキのいい香りがお風呂中に広がるという一石二鳥さ。
土佐龍では間伐材はもちろん、製品を作るときにでる端材や木片など副産物も利用できる商品開発に力を注いでいます。その中のひとつがアロマグッズです。リラックス効果があるとされるフィトンチッドをたくさん含むヒノキの粒を枕にしました。木の粒のほどよい固さと香りで快適な眠りを誘うのです。また、ヒノキの防虫効果でダニなどもよせつけないのがうれしい。
他にも、本当だったら捨てられてしまうヒノキの節の部分を使ったアロマブロックの入浴剤も人気があります。節は油脂分が多いため、これでかかとをなでるとつるつるになるのだそう。
前は海、後ろは山と自然豊かな所に建つ本社。製品作りで出たおがくずなどを堆肥にして会社のそばに有機栽培の畑もつくる予定です。
高知四万十の適材・ヒノキを余すところなく使い、社員一同本当のロハスを実践しているのでした。
取材・文:鞍作トリ