当たり前のことをさらりと実行するエコ
株式会社コロンビアスポーツウェアジャパンアウトドアメーカー(株)コロンビアスポーツウェアジャパン(東京都渋谷区)の母体である、コロンビアスポーツウェアカンパニーは1938年にアメリカの帽子問屋として創業しました。まだアウトドアという概念もない時代。コロンビアの広告や製品タグなどに登場する女性、創業当時から会社をサポートし現役の会長でもあるガート・ボイルさんが、釣り好きの夫のためにポケットいっぱいのフィッシングベストをつくったのが、はじめの一歩となりました。このベストが釣り仲間にも好評で、工夫して使いやすいものを作れば普及するだろうとボイルさんは考えました。以来、アウトドアメーカーとして発展を遂げていったのです。
エコロジーもすっかり定着した昨今ですが、コロンビアの姿勢は“当たり前のことをやっている”という言い方が適切でしょう。アメリカの本社では自転車通勤の社員向けのシャワールームが設置されていたり、省資源、省エネルギーを各自で行ったりするのは今も昔も当然という社風です。製品作りに対して環境に負荷のかからないものを作ろうというアイデアは「当然」生まれます。
2008年2月下旬に発売予定のケンダルコーブスウェットパーカー、パンツは「アペクサ」というアメリカのデュポン社が開発した繊維素材でつくりました。このウェアはジッパーも含め、すべて生分解性質です。堆肥に埋められた場合、バクテリアの力や分解酵素により45週間ほどで土に解けます。その後も堆肥として再利用が可能。今後、店舗毎の回収システムも整備していこうと計画中です。
また、4月初旬発売予定のクロッグ(サンダル)もユニークなアイデアが生かされています。こちらはサンダルの甲の布地部分に裂き織りを採用しているのです。
裂き織りというのは、古くていらなくなった布を裂いて糸状にしてまた織るものです。
全国裂織協会(東京都国分寺市)と協力し、リサイクル生地を集めて作っています。同じ色柄が二つとない、自分だけのオリジナル感が楽しめる一足です。
コロンビアというと男性に人気のあるブランドです。タレントの長島一茂さんや俳優の北大路欣也さんもプライベートで愛用してくださっているのだそう。そうした男性陣に向けて“男の人でもかっこよく持てるエコバッグ”を雑誌「GoodsPress」と共同製作しました。素材はアペクサ、持ち手に金属のポールを採用。さすがアウトドアメーカー、ポールはテントの仕組みを活用し、コンパクトに収納する時は折り曲げが可能です。
「アペクサは原価の高い生地ですが、エコバッグはこうした商品の普及を目的につくりました。採算は度外視しました」とPR担当の平松美幸さんは笑います。利益第一主義でなく、このような取り組みを当たり前のようにさらりとやってのけるコロンビア、清々しさを感じた一場面でした。
取材・文:鞍作トリ