“現代的で素朴”な世界観広がるものづくり
カンペール個性的でおしゃれな靴作りで知られる、スペインのシューズブランド・カンペール。古くは1877年にスペインの素朴な土地、マヨルカ島での靴工場が始まりでした。
カンペールとはマヨルカの言葉で「農夫」の意味。マヨルカ島は今ではヨーロッパの人々の避寒地、高級リゾートもありますが、本来は田舎暮らしを楽しむ人たちがのんびりと暮らす島なのです。

カマレオン
この島でカンペールが最初に作ったシューズがロングセラーの「カマレオン」です。島のひとたちは穀物を入れていた麻袋や麻ひも、自転車の古タイヤを利用して普段履きの靴を作っていました。昔の田舎での、物を大切にする農夫たちの姿勢に敬意を払う気持ちをこめてこのファーストシューズを作りました。素材は丈夫なオーガニックコットンのキャンバス地を活用しています。

ペウ
以前から好評の「ペウ」シリーズは、人間工学に基づいた機能性と洗練されたデザインの両方を兼ね備えたシューズでもあります。体内にたまった静電気を歩きながら外に逃す役割の「コンタクト・アース」という機能が足裏についている画期的なものです。
ほかに環境配慮を考えた商品として、当初室内履きとして開発された「ワビ」があります。名前の由来は日本の「侘び」です。素材には、燃やしても埋めても有害物質が出ない、生分解性のTPEというプラスティックを使用しています。また、靴の製造工程も従来なら多くて40工程もあるところを、4工程で生産できるという点がとてもエコロジー。工程が多ければそれだけエネルギーもたくさん必要になります。40工程から4工程というのは靴業界でもまれにみる少ない数字なのです。
その「ワビ」シリーズからトングタイプが登場します。こちらはワビよりもさらにシンプルなサンダル。人間工学に基づき履きやすさを追求し、かつリサイクル可能な最小限のパーツを利用したものです。夏に快適な一足といえましょう。
「カンペールは素朴で田舎のスピリッツを盛り込みつつ、機能的にはハイテクな要素も加えてものづくりをしています。シンプルで性能もいい、でも創業地の地中海のエスプリを忘れない、そんなシューズなのです」とプレス担当の近藤千恵さん。
ショップディスプレイも最小限の什器でつくることを心がけ、世界の一部のショップでは紙製の靴箱を組み立てたディスプレイテーブルを採用するなどしていますが、それがかえってステキな雰囲気を醸しだしています。
これからはかっこよくムダを省き、かっこよくものづくりをする時代。よいお手本としてのカンペールから今後も目が離せません。
取材・文:鞍作トリ