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ミュージシャン。'91年デビュー以降、国内外問わず数々の作品を発表、'98、'99全米ツアーも行う。NHK FMのパーソナリティー、連載コラムや映画コメント執筆、字幕監修なども手掛ける。近年、菊地成孔氏や大友良英氏らのセッションにも参加し話題に。'08年にはビクター80周年記念コンピレーションCD「Music For Nipper」をプロデュース。ニューアルバムは「It's Here」2010年リリース。自身の経験を生かしたママ&ベビースキンケア商品「Preens」をプロデュースし発売中。3月には自身初となるエッセイ本『小鳥がうたう、私もうたう。静かな空に響くから』(主婦と生活社)を出版。
http://www.kahimi-karie.com
森の防潮堤 〜いのちを守る300キロの森づくり〜
以前、このブログでも紹介したことのある植物生態学者の宮脇昭先生が、今新しいプロジェクトを提案しておられるのですが、それが本当に素晴らしいアイディアなので皆さんに紹介したいと思います!
宮脇先生は、『いのちを守るドングリの森』という著書や、『4千万本の木を植えた男』というNHKのドキュメンタリー番組などで知っておられる方も多いと思いますが、土地本来の植生を、ポット苗を用いて植える方法によって、環境保全林づくりを初めて行い、そして森づくりを成功させて、それをきっかけに企業や地方自治体などもその方法を取り入れたことで日本の森づくりを盛んにされたという、素晴らしい功績を持っておられる方です。
その先生が今提案しているのは、『震災がれきを活用した「いのちを守る森の防潮堤」』というものです。砕いたがれきをホッコリホッコリと土と混ぜて、その土地固有の風土に合う木のポット苗を植えて森をつくり、それによって津波の威力を緩和させるというアイディアです。
森はかつて厄介者で人間の敵でさえありました。人は文明の発展という名のもとに森と戦い、見境なく木を切り、都市のまわりの森林を破壊しつくしたとき、その文明は破滅し、砂漠化したと、宮脇先生は言います。
環境破壊はとどまるところを知らず、異常気象は年ごとに増えていますが、人類が破滅しないためには何をしたらいいのでしょうか。宮脇先生は、60億人が一人一人、ふるさとの木の苗を植えれば、まだまだ地球は生き延びることができる、と言っています。

土地本来の樹木は強く、根をまっすぐ深く張り、激しい風雨に耐える。もともと、そこに自生する植物だから人があまり管理しなくて済みます。これを利用して、海沿いに「森の長城」を築こうというのです。しかも今、地方の受け入れで問題になっている、震災のがれきを使うという、なんとも合理的なアイディアです。
土と混ぜて土塁を築き、多くの木を植えると、根はがれきをがっちりと抱き、がれきで有機性のものは分解され養分になる。そして強固な防災林、環境保全林に育つのだそう。しかも苗を植えてから森になるまで、たった5〜10年なのだそうです。これはとても現実的で、同時にその先に希望があるプロジェクトのように私は感じました。
現在の日本の森は、人工的で単一樹種の画一樹林がほとんどですが、これが台風や地震、洪水などの際の自然災害の揺り戻しが起こる諸悪の根源だそう。その土地本来の樹々というのは、シイ、タブノキ、カシ類の広葉樹で、そのような樹々でできあがった森は、人が手を入れなくても枯れたりせず、また津波被害からものがれ、多くが津波浸水の境界に立っていたそうなのです。

防波堤だけではなく、その土地の風土に合わない人工的に植えた松の木も、今回の津波では折れて流されてしまいましたが、その土地の風土に沿った樹木は残り、火事の火も止めたそうです。日本を含むアジアは、自然の多様性が一番豊かな地域であるとともに、水害などの害が多く起きる地域だということを考えると、これまでのように利便性や経済的な発展を最優先して、今回のような災害を考えずに、再び土地開発をするのは避けなければなりません。
先生がおっしゃるに、漢字の通り、森とは木を3本植えればでき、誰にでも植林や木を育てることは可能なのだそう。宮城の岩沼では、5月にこのプロジェクトの植樹祭があるようです。私もこのアイディアを実現するために、私たちがみんなで動いていけたらと思っています。
カヒミ・カリィ
春が来た!
まだまだ寒い風は吹くけれど、
やっとまた 春が来た!
メジロが鳴く木の上で、
雨に濡れた草むらの中で、
枯葉が覆う地面の下で、
何かがモゾモゾと動いているのを感じます。
いつも私と娘は散歩をするとき、
ワハハと大きな声で笑い、
それより少し小さな声で歌います。
「はーるが きーた
はーるが きーた
どーこーにー きたー」
自分が生まれたときから、
たぶんずっと毎年歩きながら
歌っている歌だろう。

私の一番好きな道。
それは実際に見ると
特別なことは何もないような
地味な道なのです。
けれど、何となく心が揺れて
写真をパチリと撮ってみると、
何故か、とてもとても美しい道になっている。
きっと私の思いが写り込んでいるんだなぁと思う。
この道を歩いていると、
あのひとと一緒に歩きたいな……と
思うけれど、
そんな風に思いながら
ひとりで歩くのが好きな道です。

ときどき、
日が暮れて暗くなったこの道を
娘と手をつなぎ歩いて、
ふと夜空を見上げると
電線に引っかかった三日月が
あまりにも美しくて驚いて
足を止めるのですが、
そんなとき、娘はいつも何も言わず
小さい手で私の指をぎゅっと握りしめたまま
静かにしている。
「写真とっていい?」と聞くと
「イイヨ」と答えてくれる。
けれど、月を撮るのは難しい。
だいたいはボーッと滲んだ
小さな粒になってしまう。
月は一眼レフを持ち出して
本気で気持ちを向けないとダメなのです。

また春が来る、ということ。
それは何て凄いことなんだろうと、
この道を歩くと思うのです。
今年もどうか、昨年と同じように、
この道が紫の花でいっぱいになりますように……。
カヒミ カリィ
今とても役に立つ本
3.11以降、日々の生活の中で心配なことが増えてしまいましたが、その中でも、特に気になるのは食材だという方はとても多いと思います。でも同時に、本当に安全だと思える環境に今の暮らしを変えていく事は難しいと諦めていたり、それ以前に、一体何が安全なのか分からなくなってしまっている方も多いのではないでしょうか。
そんな毎日の生活の中で、食事を作る上などで私が参考にしている、とても役立つ本があるので紹介したいと思います。
元々この本の原書は、2003年にチェルノブイリの原子力発電所から16kmにあるベラルーシにて、放射能の中を生きるベラルーシ人のために、ベルラド放射能安全研究所よって刊行されたものです。
海外で翻訳出版されるのは日本語版が初めてで、ベラルーシの日本文化情報センターに勤務されておられる辰巳雅子さんが翻訳をされています。実は私は、この本が作られる前から、辰巳さんのブログをたまたま拝見し食材の扱い方などがとても参考になったので、出版して欲しいなぁとずっと思っていたのでした。
著者のウラジーミル・バベンコさんはこう言っています。
『私はベラルーシのベルラド放射能安全研究所で20年近く研究を続けています。ベルラド研究所の設立目的は、チェルノブイリ原発事故による放射能被爆から放射能汚染地域で暮らす住民、特に子供たちを守ることです。日本の国民は、今回の困難な天災と人災を乗り越えいい結果を早期にだせると信じています。そして、進歩と発展の道を切り開いていくと思っています。東京に来て、幼稚園の子供達が道を歩いているのを見かけました。この子供達は何も悪いことはしていません、なんの責任もありません。子供達の紹介の健康のためにも私達は最大限の努力をして、事故の影響を受けないようにしましょう。自分でできる放射能対策方法には、大きなお金が必要なわけではありません。政府からの指示を待つことでもありません。ただ、知識と対策をしたいという意志を持つ事が必要です。この本には、放射能汚染地域で暮らし続ける上で、どのように生活しないといけないのかというアドバイスが書かれています。』
バベンコさんのおられる研究所は、放射線医学や原子力工学の研究とは一線を画し、チェルノブイリ以降、汚染地域住民の目線に立った「放射能から住民を守るため」の研究を長期にわたり行ってきました。その集積と経験にもとづくアドバイスを、分かりやすい言葉で記している本で、とても役に立っています。
例えば、毎日使う野菜やキノコなどの食材をどんな風に調理したら汚染物質が軽減できるかなど、実際に使える情報が多いので、東日本に住んでおられる方には、特に役立つ内容だと思います。
食事は毎日のことなので、一つ一つは小さな事でも、積み重なると随分違ってくるのでとても大切ですね。面倒だなと思うことがあっても、手をかけて料理をすることの重要性をあらためて感じるこの頃です。
カヒミ・カリィ
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