海外で、例えば一日しか自由な時間が取れない時、皆さんはどんな風に過ごされるでしょうか。メインの観光スポットを訪れたり、一つの美術館に絞ってゆっくり観賞をしたり、お土産を探しに行ったり・・。
私の場合は、下町のような古い町並みが一番残っている場所に出掛けて、プラプラと写真を撮ったり、日用雑貨を探したり、ご飯を食べたりするのが好きです。
今年の夏は仕事でポルトガルのリスボン、そして北京に行ってきました。今回の旅もそんな感じで日程が決まっていて、あまり時間がなかったので、地図を片手にカメラを抱えて、探索に出掛る事にしました。
リスボンの建物にはアズレージョという装飾タイルが
多く貼られています。朝の日差し。
リスボンは洗濯物がヒラヒラ。旗のよう。リスボンはヨーロッパ大陸最西端の首都。年間を通して温暖で、小さな丘がいくつもあり、大西洋に注ぐテージョ川沿いに広がる、とても美しい町です。 町中には小さな可愛らしい路面電車が通っていて、起伏の激しい土地ならではの風情があり、歩いているだけでとても面白く、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
小さな路面電車は音もカタンカタンと、いい感じ。私が向かったのはアルファマ地区という下町。迷路のような路地の間に小さな教会やカテドラルなどがあって、家の白壁にイスラムの雰囲気が残る、ちょっとした探索にピッタリの場所でした。丘の上には、カフェもあるこじんまりした広場があり、そこから太陽に輝くテージョ川と、オレンジ色の屋根を持った素晴らしい古い町並みが見渡せます。
村の様にのどかな雰囲気で、地元の人はイスを外に出しておしゃべりしていたり、外で刺繍をしていたり。ヒモに引っかけられた洗濯物がヒラヒラ揺れていたり。飼い犬もリードなしで好き勝手に近所に行ったり来たり、日向ぼっこをしていたり。
犬も大人も子供も皆のんびり。。私が遠慮がちに地元の人にカメラを向けても、まったく気にしないで笑顔で手を振ってくれたりして、何だか穏やかでいい感じでした。ちょっと住んでみたくなるくらいでした。
お昼ご飯は定食屋のような店で、コリアンダー風味の卵とパンが入ったスープと、タコとトマトのサラダを注文して、ひと休憩。ポルトガル料理は、お米をリゾットのようにして食べたり、魚貝や野菜を使ったものが沢山あって、すごく美味しいので幸せでした。やっぱり、ご飯が美味しい国への旅は良いですね!
ところ変わって、次は中国の北京です。北京は、ニュースなどで報道されていた緊張した印象とは違って、街の雰囲気も思ったよりもとても落ち着いていて、人も情が深く暖かい感じがして、とってもいい感じでした。 例えば日本でも、秋葉原で事件があったりすると、海外のニュースでは東京中の治安が悪くなって危なくなったようなイメージが出来たりしますが、実際はそうでもなかったりするように、実際にそこに暮らしている人々の中に入っていくと、ずいぶん印象は違うものです。特に、私が宿泊していた地区は什刹海という湖畔のエリアで、胡同(フートン)という古くて美しい町並みが残る場所だったこともあってか、拍子抜けしてしまうくらい穏やかな雰囲気でした。だら〜んとぶら下がった何本もの黒い電線にツバメがたくさん留っていたり、綿の詰まった重そうな布団が、家族分、玄関先に並べて干してあったり、サンダルでスイカを丸ごと買いに行く近所のひと・・何だか、私が小さかったの頃のことを思い出して、嬉しくなりました。
柳の木の下にかわいいカップル 北京で。
マージャンかな下町探索は、たとえそれがほんの一日でも、その国々の伝統文化や風土、人情を垣間みる事が出来て、すごく面白い。リスボンも北京も、このような街並は一部で、大体の場所はやはり近代的なビルと、舗装された広い道路なのです。東京もパリもNYも・・便利でお店もいっぱいだけれど、なんだか旅の醍醐味に欠けるのです。日本に戻り、写真の整理をしていて、面白い事に気付きました。この遠く離れた二つの小さな地区、それこそ文化から何からまったく違うはずなのに、同じ空気と時間が流れているように写っているなぁと思ったのです。何処に住んでいても、どんな文化でも、やっぱり、おんなじ人間だからだろうなぁと思いました。
布団の日干し。
北京の犬もリードなしでのんびり。そんな風にして旅に出掛けると、何をするでもなく道端や玄関の先に座って、ボーっと考え事をしているような人を時々見かけますが、いつも何とはなしに気になります。 北京で故宮の周りを歩いていた時に、折り畳みの小さな椅子に座って空を見上げているお爺さんを見かけました。数時間後、また同じ場所を通りかかると、そのお爺さんは、まだ同じように空を見上げているのです。 不思議に思って私も空を見上げると、その大きな、ネズミ色の空のすごーく遠くに、小さな凧が見えました。
藤棚の下であぁ、お爺さんの気持ちはここではなくて、あの空の向こうの、凧の所にあるんだなぁと思いました。空から大きな中国を見下ろすように・・。
旅はどこに行っても、本当に面白いです。
ヘチマの棚の下で。
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