先週の週末明けに、新潟は越後妻有にある「光の館-House of Light」という所に行って来ました。
この「光の館」は、カリフォルニア州出身のアーティスト、ジェームス・タレルの作品で、そこに滞在して観賞するというものです。彼はこの構想を、谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」の中から見出したそうで、瞑想のためのゲストハウスになっています。
この時期の新潟は、田んぼが黄色く色付き、ススキやコスモスがわさわさと揺れて、もうすっかり秋の匂いに包まれていました。
十日市のはずれの山間に作られたこの建物は、この地方の豪雪に備えて玄関が地上から2.7mの高さに据えられているのですが、全体をまるで雨戸で囲う様に全て木材で作られているからか、その階段を登る時にまるでお参りをしに来たような、少し厳かな気分になりました。
この建物の中心となる居間の天井には、四角い穴が開いていて、機会仕掛けでスライドする屋根が付いています。そこを開けるとガラスもはめられていないので、締め忘れると雨が入って来てしまうのですが、直接、空を観察する事が出来るようになっています。
日の出と日没になると、自動的に部屋の灯りがコントロールされるようになっていて、居間の畳に寝転がって、空の光や色がゆっくりと変わっていく様子を観察するプログラムが用意されているのです。
この日は曇りがちでしたが、夕暮れには気持ちの良いお天気になっていて、かえって雲も出ていたおかげで、観賞にはぴったりでした。
人数が多かったせいか、じっくり集中するというよりも、お酒を飲みながらゆっくり観賞する感じだったのですが、それでも空と部屋の光が変化していくのを観賞するという体験は、とても貴重なものになりました。
昨年、モロッコの小さな村に滞在していた時のことを思い出しました。
窓からの光と、窓際に置いたキャンドルの光が変化していく様子を、ビデオに納めたのですが(DVDに収録していますので、よかったら観てみて下さい!)、その時は窓枠や風景の変化など、注目するものがいくつかあったので、今回のように光と色(あとは雲の流れ)に集中する事は、初めての体験でした。
この部屋だけではなく、建物全体がタレルの設置した光に包まれているので、この時のように意識していなくても、自然と光に敏感になるようになっています。
お風呂場には、光ケーブルのようなものが仕込まれていて、真っ暗な中に青白い線が浮かび上がるようになっていました。
お湯に浸かると、体がブラックライトに当たったように発光するのです!(残念ながら、暗すぎて私のカメラでは収める事が出来ませんでした。)
丁度、お月見の夜だったので、消灯前に友人達と短い散歩をしに出かけました。ススキの擦れる音やカエルや虫の合唱の中、時々雲に隠れたりしながら降り注ぐ月光を浴びて、皆でワハハとお喋りをして、なんとも贅沢な時間を過しました。