この季節になると何故か毎年、子供の頃の夏休みの事を思い出します。
梅雨の時期なので少し早すぎるのになぜだろう、と考えてみたのですが、それは多分、自分のまわりの緑の生育が急に早くなってモジャモジャしてくる感じと、ジトジトとした暑さにまったりしてくる、この気候のせいかもしれません。
あの遠い夏休みの記憶で印象深いのは、太陽の下で長い時間を持て余して、延々と身近にある草をちぎったり、蟻などの虫に意地悪な事をしていたという事で、それがこの季節のグニャリとした気分になんとなく被るのです。
もっとも大人になってからは、自分がその気になれば自由にどこへでも行けるので、本当の夏休みの時期にあたる本格的な夏は、一年中で一番満喫しているくらいなのですが。
逆に梅雨の時期というのは、子供の頃の方が上手く時間を使っていたような気がします。
赤い傘をさして黄色い長靴を履くのも楽しかったし、カタツムリを探して泥々になったり、わざとビッショリ雨に濡れて家に帰ったり。
大人になった今は、ベランダの植物に水をやらなくてもいいので楽という他は、帰宅中に買ったばかりの靴や楽譜が濡れてがっかりしたり、窓を開けっ放しにしてしまってベッドが湿ったのをドライヤーで乾かしたりして、うんざり。。。
昔は、教科書やノートがベッタリするのをかえって喜んでいるふしがあった様な・・なんて雑で無責任な子供だったのだろうと思うのですが、最近、”ああ、あの頃から今も変わっていないなぁ。”と思う事がありました。
先日、ライブツアーの途中に福岡のフェスに出たのですが、それはとても暑い一日で、テントの楽屋には沢山アーティストがうろうろしていてお祭りのような楽しさだったのです。
けれど、そのうち待ち時間を持て余してきたら、演奏前の緊張感と、まったり感が混ざってきて、段々とステージから聴こえてこる他のバンドの演奏も雑音に感じてきてしまい・・。
”これではイカン、気分を変えよう”と散歩をしにテントの裏へ出てみると、草っぱらに沢山の野草が咲いていたので、花輪を作ってみることにしたのです。
これは子供の頃、暇つぶしに延々とやっていた事の一つで、一度は2mもの長さのものを作った事がある位なのですが、久し振りにやってみると、あの頃と全く同じ気分になっている自分に気付いたのでした。
すっかり気分も爽快になって楽屋へ戻り、無事演奏も終えてテントでゆっくりしていたら、お客さんで来ていた小さな可愛い女の子がいたので、さっきの花輪をあげると、”わ?スゴイ。作り方を教えてほしい!”との事。
その女の子と一緒に草の中に埋もれて、向こうから聴こえてくる音楽を聴きながら花を編んでいくと、すっかり日が暮れて行きました。
ふと振り返ると、向こうで花輪作りに夢中になっている女の子の姿が、逆光でシルエットになっていました。
それはまるで、タイムマシーンに乗って小さな私に会いにいったような・・そんな感じがしました。