ミュージシャン。'91年デビュー以降、国内外問わず数々の作品を発表、'98、'99全米ツアーも行う。NHKFMのパーソナリティー、連載コラムや映画コメント執筆、字幕監修なども手掛ける。近年、菊地成孔氏や大友良英氏らのセッションにも参加し話題に。'06年に映像作品「kochab」とアルバム「NUNKI」をリリース。'07年2月のツアーを皮切りに全国各所でのフェスやイベントに出演。7月にはライブDVD, 数々のアーティストと共演した楽曲を収録したコンピレーションアルバムをリリースする。
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先日、とても悲しいニュースが入りました。
私が大好きだった心理学者の河合隼雄さんがお亡くなりになったのです。
昨年から御容態の事は知っていたので、とても気がかりだったのですが、それでも河合先生ならお元気になられるのでは・・という希望を何故か強く持っていたので、とても残念に思いました。
河合先生は分析心理学を初めて日本に紹介した学者として、日本におけるユング心理学の第一人者と言われていた方ですが、少し変わった経歴を持っておられて、心理学者や文化庁長官として活躍されるずっと前に、数学の高校教論として働かれていた経験などが、多くの素晴らしい著書を残された理由なのではないかと思っています。
専門書に限らず、おとぎ話や伝統芸能、音楽や宗教、言語にまつわるエッセイや、白洲正子さんや谷川俊太郎さんなど、様々なジャンルの方々との対談集など、心理学に興味がない人でも引き込まれてしまう先生独特の視点や発想は、心理学者という枠を超えて、純粋に一人の人間としてとても魅力的な方だなぁと思っていました。
お亡くなりになる前に家庭画報で連載されていた「泣き虫はーちゃん」という、先生が子供の頃を回想して綴られたエッセイは、そんな河合先生のバックグラウンドを知る事が出来る、大変貴重なものだったのですが、先生の事をまったく知らない方が読んでも、じわじわと胸に残るような暖かくて楽しいお話でした。
それで私は友人と時々、先生の事を“はーちゃん!”とこっそり呼んだりしていたのですが。
前にこのブログで紹介した事のある、京都の高山寺の明恵上人の夢記について書かれた「明恵 夢を生きる」も、河合先生が書かれた本です。
はーちゃんは今頃、明恵さんと楽しく対談などされているのでしょうか・・。
先生が亡くなられても、先生はおられるのだなぁ、と深く実感する今日この頃です。
初めて読まれる方にお勧めの本をご紹介しますね。
<単書>
 1.こころの処方箋 |
 2.猫だましい |
 3.ココロの止まり木
|
 4.大人の友情 |  5.こころと人生 |  6.心の扉を開く
|  7.ウソツキクラブ短信 |
<共著>
 8.魂にメスはいらない (谷川俊太郎) |
 9.日本語と日本人の心 (谷川俊太郎、大江健三郎)
|
 10.縁は異なもの (白洲正子) |  11.絵本の力 (松居直、柳田邦男) |  12.読む力、聴く力 (立花隆、谷川俊太郎) |
この季節になると何故か毎年、子供の頃の夏休みの事を思い出します。
梅雨の時期なので少し早すぎるのになぜだろう、と考えてみたのですが、それは多分、自分のまわりの緑の生育が急に早くなってモジャモジャしてくる感じと、ジトジトとした暑さにまったりしてくる、この気候のせいかもしれません。
あの遠い夏休みの記憶で印象深いのは、太陽の下で長い時間を持て余して、延々と身近にある草をちぎったり、蟻などの虫に意地悪な事をしていたという事で、それがこの季節のグニャリとした気分になんとなく被るのです。
もっとも大人になってからは、自分がその気になれば自由にどこへでも行けるので、本当の夏休みの時期にあたる本格的な夏は、一年中で一番満喫しているくらいなのですが。
逆に梅雨の時期というのは、子供の頃の方が上手く時間を使っていたような気がします。
赤い傘をさして黄色い長靴を履くのも楽しかったし、カタツムリを探して泥々になったり、わざとビッショリ雨に濡れて家に帰ったり。
大人になった今は、ベランダの植物に水をやらなくてもいいので楽という他は、帰宅中に買ったばかりの靴や楽譜が濡れてがっかりしたり、窓を開けっ放しにしてしまってベッドが湿ったのをドライヤーで乾かしたりして、うんざり。。。
昔は、教科書やノートがベッタリするのをかえって喜んでいるふしがあった様な・・なんて雑で無責任な子供だったのだろうと思うのですが、最近、”ああ、あの頃から今も変わっていないなぁ。”と思う事がありました。
先日、ライブツアーの途中に福岡のフェスに出たのですが、それはとても暑い一日で、テントの楽屋には沢山アーティストがうろうろしていてお祭りのような楽しさだったのです。
けれど、そのうち待ち時間を持て余してきたら、演奏前の緊張感と、まったり感が混ざってきて、段々とステージから聴こえてこる他のバンドの演奏も雑音に感じてきてしまい・・。
”これではイカン、気分を変えよう”と散歩をしにテントの裏へ出てみると、草っぱらに沢山の野草が咲いていたので、花輪を作ってみることにしたのです。
これは子供の頃、暇つぶしに延々とやっていた事の一つで、一度は2mもの長さのものを作った事がある位なのですが、久し振りにやってみると、あの頃と全く同じ気分になっている自分に気付いたのでした。
すっかり気分も爽快になって楽屋へ戻り、無事演奏も終えてテントでゆっくりしていたら、お客さんで来ていた小さな可愛い女の子がいたので、さっきの花輪をあげると、”わ?スゴイ。作り方を教えてほしい!”との事。
その女の子と一緒に草の中に埋もれて、向こうから聴こえてくる音楽を聴きながら花を編んでいくと、すっかり日が暮れて行きました。
ふと振り返ると、向こうで花輪作りに夢中になっている女の子の姿が、逆光でシルエットになっていました。
それはまるで、タイムマシーンに乗って小さな私に会いにいったような・・そんな感じがしました。