子供の頃、うちの親はテレビ観賞にものすごく厳しくて、なかなか好きな様に観させてもらえなく、いつも私達は不満をこぼしていました。
禁止されると余計みたくなるものですし、学校に行くと昨夜のテレビの話で盛り上がるのに、自分だけついて行けないのも子供達にとっては大問題だったのです。
どんなに怒られても親の目を盗んではテレビを観ようとする私達に、父親はこっそりテレビの電源をブレーカーのところで切ってみたりと、色々と仕掛けをしていたようですが、子供達の方もなかなか賢くて、いつもその難関を乗り越えてはこっそり観賞していました。
最後の方は、ランプ作りが趣味だった父がテレビのコンセントの部分を凸から凹に改造してしまい、両方が凸で出来た短い紐のようなコードも作り、それを使わなければ電源さえ付かないようになって、どうしても観たい時には、父にその凸凸コードを借りなければ観られない仕組みにまでなったのです。なんと私達はそれもクリアし、親のいない時に毎回テレビのコードの凹を凸に改造しては戻すという、高度な技を使って観ていたのでした。
理科の授業がそんなところで役に立っていたと思うと、それ自体が親が仕組んだ教育の一貫のようにも思えてきて、なんだか笑ってしまいます。
その後、どんな風になったか覚えていないのですが、多分親もあきらめて、怒られてはいましたが解禁になったような・・。
今思うと、テレビが観れないという事が不満の大部分で、テレビ観賞そのものは重要でなかったのかもしれません。
ダラダラとテレビを観ていても結局そんなに満足しなかった訳で、親子のテレビ問題も自然と下火になっていったような気がします。
家にいても祖父母の家に行っても、NHKばかり観ている大人にうんざりしていた子供達でしたが、私達も気付くと同じような大人になっていて、なんだか不思議。
ところで、私達が当時好んで観ていた番組はいくつかありましたが、その中でも私が一番好きだったのは、
「
ムー」「
ムー一族」
でした。
プロデューサーは久世光彦、下町の足袋屋が舞台で、涙あり笑いありのホームコメディーです。
このドラマで私の笑いのツボが決まったような気がするくらい、大好きな番組でした。
残念な事にまだDVD化されていないのですが、この番組に負けないくらい面白いドラマのDVDが出ていています。
同じく久世光彦プロデュース、向田邦子脚本、オープニングの映像が横尾忠則という、豪華なスタッフで制作された
「
寺内貫太郎一家」。
世代が違うので当時は知らなかったのですが、その私が今観てもすごく面白いドラマでした。
このスタッフだけあってただ面白可笑しいだけではなくて、人情や老い、日本の文化など、いろいろ考えたり学べるストーリーになっています。
出演者に構成、映像、編集、音楽などすべて良く出来ていて、当時の優れた人材をかき集めて作られたドラマなのではないかな、と思いました。
テレビの観過ぎはよくありませんが、とりあえず見方はとても大切ですね。