ミュージシャン。'91年デビュー以降、国内外問わず数々の作品を発表、'98、'99全米ツアーも行う。NHKFMのパーソナリティー、連載コラムや映画コメント執筆、字幕監修なども手掛ける。近年、菊地成孔氏や大友良英氏らのセッションにも参加し話題に。'06年に映像作品「kochab」とアルバム「NUNKI」をリリース。'07年2月のツアーを皮切りに全国各所でのフェスやイベントに出演。7月にはライブDVD, 数々のアーティストと共演した楽曲を収録したコンピレーションアルバムをリリースする。
http://www.kahimi-karie.com
2006.06.20
【LOHASに暮らす】建築と顔
先日、生まれてから今までに何度くらい引っ越しをしたのだろうと思い、数えてみたところ、何と18回も住居を移してきたを知って、自分の事ながら驚きました。
私が引っ越し好きなのは、子供の頃から荷物をまとめて新しい場所に移る事が多かったのが原因かもしれません。
場所が変わると気分が新鮮になり、また新しいスタートラインに立った様なワクワクした気分になるのですね。
その反面、生まれも育ちも下町でずっと同じ家に住んでいるような生き方にも憧れが募るのです。とにかく住む家が、自分の人生や性格に少なからず影響を与えている事には間違いがなく、とても考え深いものがあります。
今までに住んだり訪れた事のある建築や住まいは、場所もデザインや築年数も様々ですが、惹かれたり心に残っているものに共通するのは、”顔色がいい”感じのものです。
日光や風が通り抜ける隙間があったり、人の手がよく入った動きがある建物は、生き生きして健康的な印象があります。 それが古くて使い勝手が少し悪かったとしても、そういう建物は気持ちを良くさせてくれるので欠点も愛嬌になるのですが、逆にどんなに豪華でデザインが良く便利なように出来ていても、そういう動きが感じられないものは、すぐに飽きてしまうような気がします。
ところで、私が一番興味があって憧れている建築は何か言うと、木の上に建てられる家、ツリーハウスです。気候や足場に問題があるので本格的に住むようなものではありませんが、同じものは世界中に一つもなく個性的で、それこそ動きのある建築だと思います。 顔色がいいどころか、ニコニコ、ワハハと笑っているような印象があって幸せな気持ちにさせてくれる建築です。 |
ニュースによると数日前から梅雨に入ったようです。
けれど実際の空は相変わらずで、晴れたり降ったり止んだり・・。
変なお天気のせいか風邪を引いてしまいました。
ベッドに横たわったまま、アルバムの事や近々旅する予定のモロッコの砂漠の事を考えたり、窓の外の植物をボーっと眺めていたら、こぼれ種で勝手に伸びた大きなディルやパセリの枝葉に、沢山の水滴が首飾りのようにキレイに並んで、ぽろんぽろんと落ちているではありませんか。
その様子がなんとも綺麗で見とれてしまい、ベッドから這い出してカメラに納めたのですが、写真を撮っていると病気も本当に吹っ飛んでしまいそう・・。
その間だけ、怠さも熱もどこかへ行ってしまいました。


私は風景やこういう接写が好きなのですが、特に雲や水滴などは撮り出すと何百枚も撮ってしまい、後で自分でもびっくりしてしまいます。
それは色や光、動きやリズムなど色々な要素がぎっしり詰まった芸術の原型です。
最近見つけたDVDで、その瞬間を素晴らしく映し取った作品がありました。
"NUAGES ?lettres a mon fils"というマリオン・ヘンセル監督のネイチャー・ドキュメンタリーで、最愛の息子への手紙をシャーロット・ランプリングとカトリーヌ・ドゥヌーブが朗読しています。雲の圧倒的な美しさ、また監督の感性と行動力に感動します。
カヒミ・カリィ