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キッチン

主婦。住み慣れた逗子を離れ、家族で沖縄に移住。めずらしい島の食材で料理をたのしむ毎日。ツイッターのアカウントはkiconemotoです。主な著書「こどもと食べるごはん」文化出版局、「もののかたち+たべるかたち」ソニーマガジンズ
はじめての田植え
春分の日、滑り込みセーフでわたしたちは田植えをしました。だんなの育てた稲はまだまだ背丈が足りなかったのですが、「はやく田植えしないと台風にやられるよー」と忠告されて、無理矢理、田んぼデビューです。
稲は三浦半島と三重に畑を持つ友人のたかいく農家さんにもらった陸稲と、友だちが鴨川で育てていたコシヒカリ、あとはヤンバルで、すでに田植えを終了した友だちに余ったものをゆずってもらった美ら光の3種類をミックスで植えました。
この日は大人9人、子ども10人で大にぎわいの田んぼでした。簡単そうに見えて、意外とコツのいる田植え。“とんぼ”という道具で水田に線を引き、その線に沿って稲を埋め込んでいきます。この単純作業でその人の性格がかなりわかります。
だんだん上手になっていく人、反対にだんだん雑になっていく人、最初からアバウトな間隔で突き通す人、きっちり几帳面な人……。苗も1本1本違いますから、その癖を考えて3〜4本束ねて植えていきます。
そして、泥! すっかり忘れていました、この泥の感触。つるんつるんのとろんとろん、ずぼっとはまって足をとられてあやうくコケそうになる感じ! 懐かしくて涙が出ちゃいます。
大きなたにしや糸ミミズ、ミズスマシ。いろいろな生き物がたくさん棲んでいます。たにしは友だちが飼っているあひるの大好物だというので、集めてお土産にします。それにしてもたにしの卵の色にはびっくりしました。ジャンクなイチゴミルク色。染色をしている友人は「これ、染め物に使えるんちゃうん?」と興味津々です。きれいな赤に染まるコチニールも虫ですから、あながち素敵な色に染まるかもしれません。大人も子どもも泥だらけになりながら、黙々と作業をしました。
12時の鐘の合図でみんなで持ち寄りお昼ごはん。田んぼの畦道にビール箱を並べ、その上にベニヤを置いて簡易テーブルのできあがり。玄米酵素のおにぎりや、ちらし寿司、玄米炊き込みご飯、トマトとピーマンとじゃがいもの煮込み、スナップ豌豆の海苔マリネ、葉物いっぱいのサラダ、島らっきょ……。たくさんのご馳走がどんどんみんなのお腹におさまっていきます。
田植えして、ごはんを食べて、また田植えして。うららかな春のいちにちは、あっという間に過ぎてゆきます。しかし……まだ半分も終わっていないではないか!!! 予定では、余裕でいちにちで終わるでしょ? と言っていたのにもかかわらず、全然まだまだでした。まったくもって読みが甘かった。
というわけで、明日も田植えは続行です。となると、明日のお昼ご飯は何つくろうかな? なんせそれがいちばんの楽しみですから。
分断していく人、結束していく人
福島の小学校で、ひとりの生徒が給食を拒否したことに対して、教師が「おまえだけ食べないなんて許されない」と言った、ということがネットで問題になっていた。
似たような出来事として、避難した人たちを「自分のことしか考えてない」と言ったり、避難しない人たちのことを愚か者扱いしたり。食べものの心配をするだけで「風評被害」と罵倒されて、福島県内でもセシウムが検出されなかった野菜までもが「汚染野菜」と疑われる。
東電の清水元社長が年金を月300万円も受けているなんてありえないし、その裏で後ろ指をさされる東電社員の姿。放射能のことを気にする母親に、感情だけで「神経質過ぎる」と抑えるその根拠とは、はて?
上記は、インターネットや人から聞いた話で得た「情報」。そうとう山奥に住んでいるわたしではありますが、情報だけは常にキャッチするようにこころがけております。なぜなら、今起こっていることは、人生最大の危機だからです。
事故から半年、「放射能」が原因で、
どんどん人々が分裂している印象を受けます。
実際、事故を起こしたのは東電の施設。
原子力を国策として推進していたのは国。
日本に運び込まれる原発の原料となるウランの加工はほぼアメリカ。すなわち日本は超お得意さん。
放射能廃棄物を日本に押し付けようとするフランスっていうのもあります。
あ、でも青森の六ヶ所村再処理施設は世界中の核のゴミを受け入れようとしておりますね。でもここ六ヶ所でも、あたりまえですが反対住民がたくさんいらっしゃいます。原発誘致によって大金をもらっているのは原発建設地。原発で作られた電気を使っているのはわたしたち。
3.11の事故で、企業だ国だ国民だと責任をたらいまわしにしながら、ばらばらになっていく日本。そんな中、新宿でのさよなら原発デモには、6万人もの人が集まりました。
分断していく人々がいて、結束していく人々がいる。
そうしている間も、福島原発から漏れた放射能は、どんどん海に流れ込んでます。潮にのって世界中の海を航海している放射能。日本人として、ほんとうにほんとうに申し訳ないと思う。「ハワイ沖で放射能が検出された」とか聞くと、もう肩身が狭くて大好きなハワイに二度と行けないかもしれない、と悲しくなる。
あとお寿司についてもよく考える。
この先、大好物の寿司を食べられなくなっても、それはもうめまいがするほど辛いけど、海を汚した責任として受け止めなきゃならんのかなぁ、と自分に言い聞かせている。というか何より、こどもたちよ、ごめん! と土下座したくなる。
だからこそ、きちんと計って欲しい。
放射能がどれだけ含まれているのかが一目でわかるようにして欲しい。基準値以下でもちゃんと明記する。あとはおのおのその数値を見て、買う買わないを決めたらいいと思います。
その予算は東電と国で出す。どれだけかかるのかわかりませんが、わけのわからんことに税金を使うより、先にしなければならないことがあると思います。
初釣りに挑戦! 釣果はいかに…!?
先日、釣りに行った。
初釣りだ。
魚をとる、という行為自体が小学生の虹マスのつかみ取り以来。
この日の目当てはミジュンという、鰯に似た10cmほどの青魚。
得た情報によると、「とにかくばかすか釣れる」らしい。
ミジュン用の仕掛け針を売店で買って、釣り竿は山の竹を伐ったもの。餌は針にくっついている疑似餌。これで準備完了!
友だちたちと勇んでミジュンの目撃情報があった漁港へと向かう。
「バケツいっぱいは獲りたいね」
「それくらいは余裕でしょ!」
「わたしナンプラー仕込む!」
など、大口叩きながら北上した。
釣り場にはすでに海んちゅ2人。
じっと海面の様子を伺っている。
わたしたちも真似して、じー。
「どこにいるんだミジュン???」ときょろきょろ辺りを
見回してたら、海んちゅが「あれだよー」と、
真っ黒な、まるで一見岩? 島? に見間違うほどの
かたまりを指差した。
リアルスイミーだ。何千というミジュンが
ひとかたまりになっている。
「あの群れがこっちにきたら釣り開始だね。なんだかすっごく手応えありそう!」と、その大群が近づくのをお弁当を食べながら待った。
しばらくたって、海んちゅが網をさっと
見事に海に投げ入れた。慣れた手つきで網を引き、
そして中にはたくさんのミジュンがきらきらした鱗を
たたえながらひしめきあっているではないか。
さっそくわたしたちも! と、期待を胸に糸をたらす。
たらす、たらす? ありゃーぜんぜん引きがこない。
釣りは待ちが肝心、と誰かが言っていたような。
待つ。そして待ってみたが……。
「あ!かかった!」とようやく友だちから第一声。
そのうちぽつりぽつりと釣れだし始めたが、
しだいに群れもじょじょに移動し、あっというまに
竿が届かない位置まで去ってしまった。
結果8匹。
9人で行って、8匹だ。ショック……。
今夜の夕飯どうしよう。ナンプラーはどうしよう。
はたから見たら相当落ち込んでいたと思う。
そんな姿に同情したのか、さっきの海んちゅのおじさんが、
「これ持ってきなさい」と、バケツいっぱいの
ミジュンをくれると言うではないか!
やさしーなー。神様だなー。
そうしていただいたミジュン。
食べられる分は唐揚げに。残りは念願のナンプラーに
すべく塩と漬け込みました。
次回はかならず大漁! 釣りに目覚めた? 出来事でした。
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