2009.12.28
青い時間
北極圏の入り口の町、ロヴァミニエからバスに揺られること3時間。オーロラ・ウォッチングのために多くの人が訪れるサーリセルカの町に到着しました。
途中、何頭かのトナカイに遭遇し、そのたびにバスの中は興奮に包まれたのですが、実はそのほとんどはこのラップランド地方に暮らす少数民族のサーメ人が放牧しているものなのだそうです。オプショナル・ツアーにトナカイ・ゾリ体験を申し込んでいた娘と私は「早く近く見たいね〜」、と大盛り上がり。
しかし、フィンランドはやっぱり寒い。なにしろ外は昼間でもマイナス20℃以下。出かけるたびにかなりの重装備をしなければなりません。下着にタートルネックにフリースのジャケットを重ねた上に、レンタルしたつなぎのスキーウェアを着込みます。ズボンも手袋も二重にし、靴下は三重、顔には目元と口元だけが出る、銀行強盗のようなマスクをスッポリかぶり、その上から更にネックウォーマーに帽子と、もう大変。スノーブーツを履き終わるころにはすでにグッタリという感じです。

しかも日照時間は一日3時間程度。これには結構まいりました。そんな時に限ってなぜか時差ぼけもほとんどなく、朝の6時半には目が覚めてしまうのです。皮肉よね〜。
まだ夜のように真っ暗な外の景色を見ながら、ひたすらコーヒーを飲んで目を覚まそうとする私。フィンランドのコーヒー消費量は世界一なのだそうですが、これも納得です。
10時近くになってようやくうっすらと外が明るくなってきます。貴重な明るい時間を有意義にすごさねば、と早速トナカイ・ゾリに出発。
ラップランド地方に住むはサーメの人達は伝統的にトナカイの放牧を生業としてきました。トナカイ・ゾリを操作するのも勿論、サーメ人。赤と青のカラフルなケープにトナカイの毛皮をパッチワークしたズボンと靴を履いています。トナカイの毛は非常に密度が高く、狭い面積に驚くほど多くの毛がビッシリと生えているため、サーメの人達にとってもその毛皮は必需品なのだそうです。今でも「これのほうが暖かくてラクなんだよ」と先っぽがくるんと上を向いた、エルフが履いていそうなトナカイの毛皮の靴を履いていました。私達もお揃いのケープ(これはフリースで出来ていましたが)を羽織り、トナカイの毛皮が敷かれたソリに乗り込んで出発。

太陽が地平線より上に昇らないため、空は昼間でもかすかにピンクがかった青紫色です。雪に被われた木立の間をトナカイに引かれながらゆっくりと進んでいくうちに心は静けさに包まれていきます。

静かだ〜。
フィンランドでは『青の時間』と呼ばれ、愛されているというこの冬の時期。その魅力が少し理解できたような気がしました。やっぱり寒いけどね〜。


























