2010.02.25
夢と…
毎年、高校時代以来の親友との新年会で、
「今年の目標発表会」という名の「夢」について、
“妄想トーク”を果てしなく繰り広げているんですが…
近年の発表会では、単なる予定のような、
例えば、近々温泉に行こう、とか、
週に1度はジムに通う、とか、
すぐにも実行出来そうな、
なんとなく現実的な目標を挙げていました。
それはそれで、毎日の生活において、
自分を鼓舞、奮起させる材料として、
ないよりはあった方がいいとは思うんですが、
『将来○○になりたい』、と言えていた頃とは違って、
“夢”要素や“無邪気”度が足りなくなってきたなぁ・・・と。
ま、それだけ現実世界で必死に生きている、と言えば、
聞こえはいいかもしれないんですが。
とは言え、まだまだ妄想を繰り広げていたい、とも思うわけで。
そんなことを思いながら過ごしていた先日、
『ウディ・アレンの夢と犯罪』という映画に出会いました。

NY生まれで、NYを舞台に映画を
何作も創り続けてきたアレンが、
ロンドンに移り住んで制作し、
『マッチ・ポイント』、『タロットカード殺人事件』に続く、
「ロンドン三部作」の最終章と呼ばれている、
日本公開最新作です。
創った作品すべてがアカデミー賞にノミネートされる、
と言っても過言でもないアレン。
長い間独自のスタイルを貫き、
数多くのファンを獲得してきました。
そんな彼が、70歳を前にロンドンに移り住み、
今回の映画では、究極の悲劇に挑戦し、
男性二人兄弟を主人公にしています。
また、挿入曲が彼お気に入りのJAZZではなく、
有名作曲家の書き下ろし作品、と異例尽くし。
それらは、彼の“映画人”・“創作人”としての
飽くなきチャレンジにも受け取れます。
1965年以来、何十もの作品を生み出してきた彼は、
彼流のスタイルが確立されていました。
にもかかわらず、新たなことへ挑戦するその気概。
決して人間は年齢でものの見方や尺度、
評価が分かれるものではありませんが、
単純に、その前向き、アグレッシブな姿勢に脱帽です。
映画『ウディ・アレンの夢と犯罪』の主人公、
ユアン・マクレガー演じる兄・テリーは、
ビジネス界での成功を夢見、
コリン・ファレル演じる弟・テリーは、
酒とギャンブルと恋人に充足感を得て、
それなりに暮らしていましたが、
ある日ふたりで「カサンドラズ・ドリーム号」
という小型クルーザーを手に入れてから、
少しずつ歯車が狂い、破滅へと歩み出します。
それぞれに身の丈に合わない夢を抱いたがために、
さまざまなものを背負い、【人生の賭け】という航海へ出る。
苦境に立たされた時、本来の自分があぶり出てきて、
その人間性が試されます。
兄弟の対照的な性格の違いや危機への対処法が、
誰にでも起こり得る偶然のエピソードの積み重ねの中、
アレンらしいウィットに富んだ会話の中に散りばめられ、
悲劇とは言え、重苦しくなく、
実に秀逸に表現されています。
ウディ・アレンは、この映画製作後のインタビューで、
「現実は不条理です。
表面的には楽しい瞬間のある本質的な悲劇なのです。
チャンスに恵まれている人もいれば、そうでない人もいる。
彼らは違う列車に乗って旅をしますが、行き先は同じ。
全て無に至るのです」
と語っています。
であれば、いつまでも夢を見続けて、失敗を恐れず、
それに向けてチャレンジし続けてもいいな、と、
無邪気に思ってみたりしたのでした。
現実はどうであれ、行き着くべきところには行き着くのだから。
幼い頃に掲げた、思いがけない突拍子のない夢であればあるほど、
達成した時の充足感は計り知れない、と。
…というわけで、今年の目標という名の夢を再考する日々。
映画『ウディ・アレンの夢と犯罪』は、3月20日土曜日から、
恵比寿ガーデンシネマ他で公開です。
ぜひ足を運んでみて下さいね。
そして感想を聞かせてください。
●ウディ・アレンの夢と犯罪
http://yume-hanzai-movie.com/pc/





































