火の神、ペレのひそやかな足跡(1)
火の神、ペレのひそやかな足跡(1)
ハワイアンにとって、火山は女神ペレそのもの。噴火は彼女の怒りで、溶岩はその一部だそう。彼女が残した足跡は、溶岩のみならず、ハワイ固有の植物に至るまで残されている。
ハワイの歴史に欠かせなく、また人々に愛されている女神ペレの姿を、ボルケーノ国立公園に探しに行こう!
ペレの涙、横顔、髪の毛!女神の気配を感じて
国立公園を車で走れば、溶岩の流れで草木が分断されたり、断層が出現する風景が私たちを楽しませてくれる。何回もの噴火の跡が、森を焼き、景色を再生させている。ハワイの自然に詳しいネイチャーガイドの長谷川さんに導かれて車を下り、溶岩の断層を歩けば不自然な筒状の穴が。これはなに? と聞くと、溶岩に巻き込まれた木が燃えて空洞だけが残った「溶岩樹」というもの。ハワイの溶岩は柔らかいので、木をなぎ倒さずに包み込んでしまう。長谷川さんは「ハワイの人々は、この溶岩にも、女神ペレの姿を映し出していたのよ」と案内してくれる。
まず写真(1)にある、雫の形のもの。火山の爆発により液状の溶岩が雨のように降り、空中で固まったもので、「ペレの涙」と言われているそう。
また、写真(2)をよく見てほしい。画面中央に大きな石の塊があるが、90度回転させればまるで女性の横顔のよう。1969〜74年の噴火でできたものでこれもハワイの人は、「ペレの横顔」だと言い伝えている。
写真(1)

写真(2)

さらに右下の写真は、「ペレの髪」と呼ばれている。一見、本物のブロンドの髪かと思うほどだ(たまに本当のブロンドの場合があるから気をつけよう!)。これもまた粘性の高い溶岩のガラス質が風で引き伸ばされたもの。手に取るとパリパリと割れて風に散ってゆく。溶岩ひとつにもこんなにバリエーションがあるとは! そういえば、火山が噴火するときハワイの人は「ペレが怒っている」と表現するそう。これらの溶岩に付けられた名前をみても、自然への畏敬を女神と結びつけ、恐れつつも愛していたハワイアンの心を知ることができる気がする。

「ペレ」とはどんな神なのか? 少し説明しよう。大地の神から生まれたとされるペレは、美しいが負けず嫌いで気性の激しい女神だという。火山を求めて、ニイハウ島、カウアイ島、オアフ島、マウイ島へと次々に渡り歩き、最終的にはハワイ島のキラウエア火山、ハレマウマウ火口に住んだとされる。気性の荒いペレは、姉妹と男性を取り合ったり、恋人と喧嘩をしたり、なにかとお騒がせだが、ハワイアンに今でも信仰されている。
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