vol.1 ピープル・ツリー 代表 サフィア・ミニーさん

今回より始まった連載のテーマは、「フェアトレード」。
聞いたことはあるけど実際どこでどんな取り組みをしているのか? フェアトレードによって、現地の人たちの生活はどう変わっているのか?
そんな問いかけに少しずつ答え、商品のストーリーを知ることで、ショッピングがよりいっそう楽しいものになるはず。
第1回目は、フェアトレードのパイオニアとも言うべき、グローバル・ヴィレッジ、ピープル・ツリー代表のサフィア・ミニーさんのインタビューです。
ピープル・ツリー 代表 サフィア・ミニーさん
サフィアさんの父親はサファイアさんが、幼い頃に亡くなり、母親は3人の子どもを育てながらボランティア活動に力を入れていました。アフリカからイギリスにやってきた難民のサポートを行っていたこともあり、難民の存在は、小さい頃からサフィアさんにとって身近な問題だったそう。
17歳で入った出版業界では、仕事の意義を見出せず、疑問を持つようになりました。
「自分のクリエイティヴィティやエネルギーを世界がよくなるために使いたいと思うようになり、どんなサポートをしたいかを少しずつ考え始めました」

ネパールの紙製品生産者と
彼が日本の銀行に勤めていたこともあり、サフィアさんも自然な流れで日本へ来ることになりました。はじめは2、3年……そんな軽い気持ちでの来日でした。
その後働いた日本のボディショップで感じたのは、企業と消費者の間のギャップでした。
動物実験への反対運動や環境・人権を守る運動など、イギリスのボディショップが行っていた企業活動に共感してやってくるお客さんが多く、自ら環境のために何かしたい、人のために何かしたい、そんな熱い若い人たちの思いを現場でひしひしと感じるようになったのです。
けれど、その頃の日本の企業にはそれを実現化するだけの手立てがなく、やきもきとした思いが募るばかり。そこで、91年サフィアさんは自らNGO「グローバル・ヴィレッジ」を立ち上げることになったのです。

ビルケンシュトックの伝統を汲む、シューブランド「TATAMI」とのコラボレーションサンダル。バングラデシュとラオスの生産者がつくるアッパー(甲にかかる部分)を使い、日本で生産されます。写真はバングラデシュの団体が作ったもの。女性たちが生地を手織りし、手刺繍を加えました。今春より発売
フェアトレードを取り巻く状況は、その頃から何かが変わったのでしょうか。
「(始めた)当時は市民運動みたいに、変な目で見られていた。外国人だから許してくれた部分もあると思うけど。
会社・企業がすべてっていう時代だったし、みんなそれに従っていたと思うんですよね。けれど今は、消費者がどんどん企業に対して信頼をなくして、市民が必要としているものと企業が必要としているものの違いが、はっきり分かるようになってきていると思うんですね」
リサイクルをしたいのに実現できなかったり、過剰包装を防げなかったり……。小さなことから始まり、私たちは社会や環境のために何かしたくてもなかなか実現できない問題をたくさん抱えています。
「昔と比べて、ある程度のインフラはできているとは思いますが、まだまだ行政のサポートが足りなくて。また、メディアももっとNGOや市民団体、フェアトレード組織とのパートナーシップを組んで、どんどん環境や社会のための活動を拡大していくべきだと思うんですよね。欧米ではそういうパートナーシップのもと、健全な社会づくりを進めています。市民が、サポートなしですべてできると期待するのはおかしいと思うんです」
活動のための助成金やシステムといった具体的なインフラから、問題の認知まで、まだまだ日本に足りていないものも多いのも現状。
「今後は、他の会社にもフェアトレードと同じ仕組みを使ってもらいながら、継続可能な経済の仕組みを作りたいと思っています。
他には、もっと多くの働く女性や、夫に先立たれてしまった女性、自給自足の生活をする農民や障害者の方々が仕事に就けるように、発注を増やしていきたいですね。伝統を守り、環境にやさしい生産方法を取り入れながら、貿易をツールとした新しいビジネスモデルを日本に根づかせたいと思います」
グローバル・ヴィレッジ
http://www.globalvillage.or.jp/
ピープル・ツリー
http://www.peopletree.co.jp/
![]() 1990年に英国から来日し、91年環境・国際協力NGO「グローバル・ヴィレッジ」を創設。95年にフェアトレード事業に部門を法人化し「フェアトレードカンパニー株式会社」設立。環境と貧困問題についての情報提供を行う。現在世界20カ国60団体に及ぶ生産者パートナーを持ち、「ピープル・ツリー」のブランド名で販売。2005年には、スイスのシュワブ財団によって「世界で最も傑出した社会起業家」のひとりに選出された。2児の母でもある。 |








































