ローハスな手習い vol.9 土鍋でおいしいごはんを炊きましょう

「海外赴任している友人を尋ねて、スペインに旅行にいくの」。
去年のことですが、「夏休みの予定は?」というわたしの問いに、友人はこう答えました。その友人が、ステイ先へのお土産として選んだもの。それは、ごはん専用の土鍋でした。
「なぜそんな重いものを……」と訝しがるわたしに「先方のリクエストなの」と友人。
「炊飯器がないし、スペインで売っているお米の種類も日本と違うので、鍋で上手に炊くのも難しい。土鍋で炊くとおいしい……と聞くけど、土鍋の代用となるものがない。ああ、おいしい白米が食べたい!」。
これがスペイン在住の日本人にとって、ささやかだけど切実な願いだったらしいのです。

実を言うと、それまで土鍋でお米を炊いたことがなかったのですが、この話を聞いてがぜん興味が沸いてきました。
そこで友人がお土産として購入したものと同じものを入手。
ごはん専用の土鍋というだけあって、ころんとしたフォルム、厚みと深みのある器……と、一般的な土鍋とはやや形状が異なります。この丸みをおびたダルマ型の形状が、土鍋に蓄積された熱をお米全体に均等に行き渡らせるので、微妙な火加減をせずとも『はじめチョロチョロ、なかパッパ』が自然に行われるとのこと。
炊飯専用土鍋には中蓋が付いていることが多く、吹きこぼれの心配がないことも特徴。また土鍋が持つ多孔質が水分調節をしてくれるので、ごはんがべとつくこともありません。

「普通の土鍋よりも厚みがあるから、ごはんを炊いても焦げにくいんですよ。また器に厚みがあるため保温性が高く、おひつに移さなくても、いつまでもホカホカのごはんが楽しめます」。
早速、この土鍋でごはんを炊いてみました。やってみると実に簡単! しかも約20分という早さで炊きあがるし、1~2合というひとりごはんの分量でも、十分おいしく出来上がります。炊飯器の目盛りに慣れてしまっているので水加減が難しいように思えますが、お米1合につき水200mlと覚えておえば大丈夫。
おいしいごはんは「お米粒が立っている」と表現されますが、土鍋で炊いたごはんはまさに粒が立っている状態。芯までふっくらつやつやのお米は、噛めば噛むほどじんわりと甘みがひろがります。どんなお米でも高級米の味わいにしてくれるのが土鍋炊飯の優秀なところ。以来、炊飯器を使用したことがないほど、“土鍋でごはん”のとりこになってしまいました。
もちろん、炊飯専用の土鍋でなくても、普通の土鍋でもおいしいごはんが炊けます。そのときは底厚の土鍋を選ぶことが、上手に炊くコツです。
炊飯専用土鍋での、おいしいごはんの炊き方

2 米1合(米用のカップ1)につき、200mlの水を加えます。



普通の土鍋での、おいしいごはんの炊き方
1 お米を研いで30分以上浸水させます。
2 土鍋に米と水を入れ、蓋をして中火にかけます。水量は1合につき200mlを目安に。
3 しばらくするとフツフツと沸騰してきますが、10分ほどそのまま炊きます。吹きこぼれが気になるのであれば、蓋の隙間に、ふきんをかませておくとよいでしょう。
4 蒸気がなくなってきたら、10秒ほど強火で一気に炊きます。このとき、かすかにチリチリとおこげのできる音を確認できるはず。
5 火を止め、蓋をした状態のままで約15分蒸らします。
おこげが土鍋の底にこびりついてとりにくい場合は、適量のお湯を入れて、好みに応じて塩、しょうゆ、たまご、ねぎなどを入れて、10分ほど煮立てると、おこげがきれいにとれて、おいしい雑炊ができあがります。

2合炊き鍋と4合炊き鍋があります。
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