ローハスな手習い vol.5 韓国の風呂敷・ポジャギ(1)

韓国女性のやさしさがこめられた
“暮らしの中のポジャギ”
色とりどりのハギレが自由自在に組み合わさり、飾り方によって表情が変わる不思議な布……今、日本でもひそかなブームをよんでいるのがこの“ポジャギ”。
韓国に古くから伝わる、モノを包んだり、食器の上にかぶせたりするための布のことで、いわば韓国流パッチワークです。布が今よりずっと貴重だった時代、韓服の切れ端から生まれたのがはじまりとも言われているポジャギ。
そんな韓国のローハスカルチャーが日本で広がるきっかけともなった、人気ポジャギ作家の崔 良淑(チェ・ヤンスク)さんの工房に伺いました。
このように光に透かすことでまた違った不思議な美しさを魅せるポジャギローハスなポジャギ
崔さんは日本在住およそ20年。来日のきっかけは日本の染色に興味を持ち、学びたいと思ったことでした。
「沖縄の紅型(ビンガタ)のビビッドな色合いが韓国の色に近かったんですよ。それで馴染みをもって、日本の染色にどんどん興味をもちはじめました」
染色して残ったハギレをどうやって生かすか?そう考えたときに、お母さんよりすすめられたのがポジャギ。
かつてまだ家庭で※韓服を作っていた時代に、韓服の切れ端を使っていたのがポジャギのはじまりとも言われています。モノがない時代に、貴重だった布を捨てずに新たな息を吹き込んで大切に使われていたのです。
「庶民は布をたくさん持っているわけではないですから、ハギレを継ぎ合わせて作っていたんですね。それが美しいと思うんですよ。貧しい時代にこそ、今も見習わないといけない知恵がありますね」
自分で時間をかけて煮出して染めた布は、とりわけ愛着がわくもの。崔さんが長年ためていたハギレたちは、ポジャギとして生まれ変わったのです。
崔さんがポジャギをはじめたきっかけも、かつてポジャギが誕生したころのシチュエーションに似ているものがあったのかもしれません。

崔さんのポジャギは布を染めることからがはじまります。紅花、くちなし、茜など天然染料を使って思い描いた色合いを表現します。アースカラーのようなナチュラルなものから、韓国らしい原色に近いものまでさまざま
基本は麻と絹。透けているもの、織りや光沢があるものなど、多種多様。身近で手軽な素材から作れるのも魅力のひとつ| 「ポジャギはまさにローハス」 現代では、ポジャギは韓国国内のみならず、日本をはじめとする海外でもアートとしての評価が高いものとなってきています。そんな中で、一般の人がとても手が出せないような高額なポジャギが存在しているのもまた事実。 ただ、もともとポジャギはとても生活に密着した、実用的な手仕事でした。 「使わないと作る意味もないし、暮らしの中でのポジャギを提案したいと思っています。芸術作品として鑑賞するポジャギも素敵ですが、実際に着たり包んだりして使っていかないともったいないですね」 ポジャギをもっと身近なものに、と考える崔さんの思いを表すように、工房で開かれているポジャギ教室には20~60代までたくさんの人が訪れます。 ただの1枚のハギレが、ひとつひとつ自分の手でつなぎ合わせていくことで、新たな巾着袋に、バッグに、ふろしきに……生まれ変わります。楽しみながら、モノを大切にしていく、そんな心にあふれているポジャギ。 「ポジャギはまさにローハスですね」 崔さんの言うそんなローハスな魅力もあって、じわじわと人気が広まりつつあるポジャギ。 ポジャギはこれからますます熱くなりそうです。 からむし工房 http://www.karamusi.co.jp/ |
| ポジャギが作れるDVD&キットはコチラ! ■ポジャギの作り方がわかる「ポジャギ 韓国からの贈り物 風 」DVD ■ポジャギがすぐに作れる「チュモニ(巾着) 手作りキット」 ■ポジャギがすぐに作れる「サンポ(お膳かけ) 手作りキット」 |
※韓服(ハンボク)/朝鮮の民族衣装。男性はパジ(パンツ)+チョゴリ(上着)のパジチョゴリ、女性はチマ(スカート)+チョゴリ(上着)が基本。今でもお正月や結婚式など特別な行事には欠かせないもの。
伝統的な韓服を現代風にアレンジした生活韓服(センファルハンボク)は、手軽で動きやすいので生活になじみ深い。
![]() 韓国、ソウル生まれ。ポジャギ・染色作家、そしてポジャギ講師として韓国、日本をまたにかけ活躍。1985年来日、以後百貨店をはじめ数々の個展を開催。1995年にはアトリエ「からむし工房」を設立、2000年よりポジャギ教室を開講中。NHKの「おしゃれ工房」にも出演し、日本のポジャギ第一人者ともいうべき存在。 |






































