vol.3 ボルボ 未来への取り組みは、
「負の立場」を認識することから始まる

環境問題を語るとき、必ずといっていいほど話題に上る事。
生活には欠かせないものだけれど、環境にはマイナス。
多くの人が感じているそのジレンマを、作り手である自動車メーカーは、
これからの私たちには必要です。
ボルボ・カーズ・ジャパン
マーケット企画部
岡田勝也さん・多田恵美子さん
低公害車や低エネルギー車の実用化が進み、2005年1月には自動車のリサイクル法も施行され、日本での自動車環境に対する取り組みがにわかに本格化してきたように見えます。
しかし、そういった動きは海外(とくにスウェーデンなどの北欧)では何年も前から始まっていて、日本はむしろ、先進国の中では後発的な存在にあります。
走りながら空気を浄化する”スモッグ・イーター”。また、1990年には“SMOG EATER”という光化学スモッグの原因となる地表に溜まったオゾンを酸素に変換する(空気中に含まれるオゾンの最大75%を酸素に変換)特殊ラジエーターの搭載も開始。
他の自動車メーカーに先駆け、世界で初めて、研究、開発、生産、リサイクルはもとより、関連部品メーカーや物流にわたってISO14001(環境に配慮した仕事の仕組みや手順に関する国際規格)も取得し、環境に配慮した車を提供し続けています。
「最近、“地球にやさしい車”というキャッチフレーズをよく耳にしますが、ボルボ社では、けっして、“やさしい”という言葉は使いません。それは、車という存在が地球に対して負担をかけるものだという認識があるからです」
覚えている人もいるかもしれませんが、1990年5月17日、ボルボ社は“私たちの製品は、公害と、騒音と、廃棄物を生みだしています”という大胆なフレーズを新聞一面に掲載しました。
「この言葉はボルボ社の会長が述べたものですが、私たち自動車メーカーは常に、負からスタートしているという、自戒と責任の意を込めて掲載いたしました。
ボルボ社は、1927年の創設以来、”コア・バリュー“と称して、”安全・環境・高品質“を何よりも優先し、独自の高いハードルを掲げ、地球や人に対しての負荷をできる限り小さくする車作りに専念して参りました。
しかし、今でもその負荷はゼロにもプラスにもなっていません。地球全体のことを考えると、1メーカーだけがそれに取り組んでも限りがあります。自動車と人との継続的共存を考えるのなら、その車を選ぶ消費者の方たちにも、そのことについて考えてほしい。そんな願いもあったと思います」
「ボルボは『環境破壊データ』を公開します。新車1台1台について―。」というコピーの新聞広告。自動車が環境に負荷を与えているという立場を認識しているからこそ、真摯に安全と環境を考え、対策に取り組むボルボ社の姿勢が表れている「掲載にあたっては、社内でも賛否両論ありましたが、“コア・バリュー”な車を作り続けることの重みを社員一同、改めて確認できましたし、自動車メーカーの責任として、社会に対してもっと積極的に働きかけていかなければならないというコンセンサスもとれました」
負荷の少ない車を流通させるには
そこに生活する人たちの
意識変換も不可欠
21世紀に入り、日本でもようやく、観光に配慮した車が選ばれるようになりましたが、チャイルド・シートを採用した国としては、日本は先進国の中で最も遅く、環境に対しても安全に対しても甘い日本人の姿が窺えます。
スウェーデンではすでに、バイオガスなど次世代エネルギーを、使った車が数多く走り始めています。そんな現実を目にすると、日本の環境対策はまだまだ始まったばかり。
「そんな日本の現状を、どう打破するのか、日本でしなければならない我が社の課題はたくさんあります。地球温暖化やエネルギー問題を考えると、さらに負荷の少ないエネルギーに転換することは、自動車メーカーにとって大きな課題。
しかし、それを実現させるには、単に技術の問題だけでなく、人の意識変換や適正なコスト・パフォーマンスの設定、さらに、それに付随する環境施設を整備することなども不可欠。つまり、一社だけが動いていてもダメで、自動車メーカー、国、サプライヤー、消費者が一体とならなければ進まないことがとても多いのです。
私たちメーカーはそれを肝に銘じ、環境に配慮した車を進歩させるだけでなく、それを発信・伝達していかなければならないと思っていますし、環境が意識されるようになってきた今こそ、積極的に動き出さなければならないと考えています」
ボルボ・カーズ・ジャパン http://www.volvocars.co.jp/























