ローハスな手習い vol.3 「日本茶をおいしく淹れる」(煎茶編)

新茶のおいしい季節がやってきました。
ところでこの日本茶。日本人なら、また、日本に住んでいる人なら、これまで一度も飲んだことがない……という人はいないのではないでしょうか。それほど、私たちにとって身近な存在ですよね。しかし、身近であればあるほど、その存在が当たり前になり、ありがたみがなくなってしまうのは世の常。日本茶を、なんとなくおざなりに淹れてしまっている人って、案外多いのでは?

次に、茶葉の個性である味わいを引き出すために、茶葉ごとに急須の扱い方、淹れ方も異なります。
つまり、慌てず急がず、茶葉を慈しむようにじっくりと蒸らして淹れるための、時間と気持ちの余裕が必要。ペットボトルからゴクゴクと飲むのとはまったく違う、日本茶本来の甘みやたおやかな香りは、急須で丁寧に淹れるからこそのご褒美なのです。
日本茶のおいしい淹れ方の前に、お茶の種類の話からご紹介しましょう。
お茶には、紅茶、中国茶、日本茶という種類がありますが、これらはすべてツバキ科の茶の樹の葉を加工したもの。紅茶、中国茶、日本茶などの異なるお茶になるのは、その製造方法が違うからです。なかでも大きな違いは、茶の葉の発酵の有無。紅茶は発酵茶、中国茶は半発酵茶。日本茶は製造最初の工程で蒸して発酵を止めて作られる、不発酵茶という種類のお茶です。
そして同じ日本茶でも、栽培方法や加工法で、細かく種類が分類されています。例えば、一般的に多く飲まれている“煎茶”は、蒸して、揉みながら乾燥させる……という、典型的な日本茶の製造過程で作られます。
また、近頃人気の“深蒸し煎茶”は、普通の煎茶よりも茶葉の蒸し時間を2~3倍多くして作られます。ほかにも玉露や抹茶、番茶やほうじ茶など、さまざまなお茶がありますが、その分類基準はやはり、製造方法の違いと使用する茶の部位、採取時期などで分けられているのです。
今回は、日本茶のなかでも最もポピュラーな“煎茶”のおいしい淹れ方をご紹介しましょう。日本茶は一般的に「二番煎じはおいしくない」というイメージがあるのですが、実は一番煎じ時に丁寧に淹れることで、三番煎じまでおいしくいただくことができます。
ぜひ正しい淹れ方を覚えて、最後の一滴まで、その香りと味を堪能してください。
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| 煎茶の茶葉/深蒸し煎茶と区別して“浅蒸し煎茶”と呼ぶことも。爽やかな香り、ほのかな甘みと渋みを備えたお茶です。 | 深蒸し煎茶の茶葉/通常の煎茶よりも、味が濃厚で渋みが少なく、鮮やかな緑色が出るのが特徴。 |
おいしい煎茶の淹れ方

2/沸騰させたお湯を、湯呑みに注ぎます。

4/湯呑みのお湯を湯冷ましに移し、さらに湯冷ましのお湯を急須に入れて、それぞれの器を温めつつも、煎茶に適したお湯の温度に冷ましていきます。

7/煎茶は、約8gを使用。写真の茶葉専用スコップだと、8分目くらいが目安。

10/最後の一滴までいれ、急須に残り湯をしないこと。
2 やかんのお湯を湯呑みに、やや多めに注ぎます。
3 湯呑みのお湯を、今度は湯冷ましに移しかえます。
4 湯冷ましのお湯を、急須にいれます。
5 急須にいれたお湯を再び湯呑みに移します。煎茶をいれる直前に、もう一度湯呑みを温めるのです。
6 湯呑みのお湯を、再び湯冷ましに移しかえます。何度も器を移しかえることで、お湯の温度を調整し、煎茶のうまみを一番引き出す温度にコントロールするのです。ここまでの過程で、普通の煎茶に適した温度、約70℃になります。
7 茶葉8g(小さじ2杯)を、お湯で温めたさきほどの急須に入れます。
8 湯冷ましのお湯を急須にいれ、そのまま約1分蒸します。
9 湯呑みに少しずついれては、円を描くように急須を2~3回静かに揺らします。急須を揺らすことでお湯のなかで茶葉が泳ぎ、ほどよい甘みと渋みが抽出されるのです。
10 最後の一滴まで、湯呑みに注ぎます。急須に残り湯をしないことで、二番煎じ以降もおいしく楽しめます。
11 二番煎じ以降は、一番煎じよりも熱めのお湯で淹れましょう(約80度)。湯呑みや湯冷ましに移しかえる回数を、普通の煎茶のときよりも減らすと、適温になります。また茶葉の蒸らし時間は必要ないので、急須にお湯をいれたらすぐ湯呑みに注ぎましょう。二番煎じ、三番煎じと回数を重ねるごとに、さっぱりとした味わいになるので、お菓子で甘くなった口のなかをすっきりとさせてくれます。
深蒸し煎茶は、普通の煎茶とほぼ同じ工程で淹れます。ただし、お湯の温度は約60~65℃くらいまで冷まします。熱いお湯でいれると渋みがでてしまうので注意してください。また蒸らし時間も30秒くらいでオッケー。急須から湯呑みに注ぐ時も、急須を強く揺すらず、ゆっくりとまわしながらいれて。渋みの少ない濃厚な味わいが楽しめます。
いかがですか?日本茶をおいしく淹れるためには、意外に手間がかかるものですよね。
とはいっても、特別な道具は必要ありません。湯冷ましがなければ、普通の湯呑みで代用できますから。持っている道具で、きちんと淹れる。これが大事なのです。
ぜひ、惰性だったお茶の時間を卒業して、ふくよかな香りと味わいを、ゆったりとした時間とともに楽しんでみてください。きっと、日本茶の素晴らしさを再認識できるはずです。
次回は、玉露、ほうじ茶、冷煎茶のおいしい淹れ方をご紹介いたします。
5/11(木)公開!お楽しみに。
日本茶のおいしい淹れ方をご指導いただいたのは
荻窪の日本茶カフェ『緑茶茶房 茶のイ』。
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1階のカウンター席のほか、二階はゆったりとしたテーブル席のフロアに。厳選茶器やオリジナル茶器は、店内でも販売。日本茶のおいしい淹れ方も教えてもらえるので、気軽に尋ねてみましょう。 |
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