東京から飛行機で三時間あまり。お隣の国、台湾は医食同源の国。おいしくて、安くて、食べると元気になれる。そんな食文化が今も健在です。
種類の多さはアジア随一といわれる台湾の食の最先端から伝統の美肌メニュー、日本でもファンが急増中の台湾茶まで、口にすると力がわいてくる。食のパワースポットをめぐる旅の始まりです。
●お茶に培われた台湾の国民性
「まずは飲みましょう。話はお茶を飲んでからね」台湾のお茶屋さんに行くと必ずこういわれる。台北郊外の猫空地区にある鳥鐡茶道の周仁智さんもそうだった。「私がお茶に出会ったのは17歳のとき、猫空の茶農家の人と知り合ったのがきっかけです」話は静かに始まった。周さんはその後、お茶作りを学び、この地に茶芸館を開いた。店を切り盛りする今もお茶作りは続けている。
「99年に起きた集集地震のあと、文明を失ってもおいしいお茶が飲めるように、太陽のエネルギーだけで作れるお茶を考案しました」
周さんにとってお茶はかけがえのない存在だ。普段はどんなときにお茶を飲んでいるのだろうか。
「生理的欲求と心理的欲求がありますが、心理的欲求にはふた通りあって、ひとつは気持ちがいいとき。自分と対話したり、友人を呼んでその気持ちを分かち合うこともあります。もうひとつは落ち込んでいるとき。お茶は自然エネルギーや先祖の知恵を秘めているので、昔の人と対話ができる。嫌なことを忘れて慰められます」
香りが高く、味わいの深い台湾茶はコミュニケーションツールであり、精神安定剤。大らかな台湾人の国民性は、お茶を飲むことでつくられたのかもしれない。
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