【知っていますか? サプリのチカラ】
栄養不足、ストレスにはサプリメントで対抗
では、バランスの良い食事を心がけてさえいれば、サプリメントは必要ないのでしょうか。答えはノー。その理由の一つに、食材そのものの栄養価の低下が挙げられます。
「ニンジンもトマトもキャベツも、昔と変わらない色や形です。でも、栄養価はかなり非力になってきています。例えばニンジン。ビタミンAの含有量は五十年前の8分の1に低下しているといわれており、昔はニンジン1本で摂れた栄養が、今は、ニンジンを8本も食べなくては摂れないんです」(後藤さん)
もう一つの理由は、環境や生活からのストレスが多い現代は、普通に生活しているだけで多くの微量栄養素を消費する時代であること。
「地球温暖化による紫外線や排気ガス、食生活では食品添加物や薬漬け飼育の食肉、海洋汚染にさらされた魚など、日常生活には有害物質が満ちています。私たちの体は、たくさんの栄養素を使って、体内に侵入したそれらの有害物質を解毒しているんです」(後藤さん)
また、一見、栄養とは無関係に思えるストレスも、実はたくさんの栄養素を消費する要因だとか。
「例えば、出合い頭の車にヒヤッとしただけで、ビタミンCがおよそ500mg、レモン約5個分が消費されるといわれています。これは、ストレスがかかると、体が多量のビタミンを使って抗ストレスホルモンを作って対抗しようとするからなんです」(後藤さん)
つまり、現代社会で健康な毎日を過ごすには、サプリメントでの栄養素の補給が不可欠。
ただし、サプリメントに頼りきりで食生活を顧みない暮らしをしては、本末転倒です。
「例えば、ホウレンソウのおひたしの代わりにビタミンのサプリメントを摂ったとしても、それだけでホウレンソウが持つ栄養素すべてを補えるわけではありません。最近になって、スイカやトマトに抗酸化作用があることが分かったように、自然が育んだ食物には、サプリメントでは代替できない未知の栄養素がたくさん詰まっているんです」(後藤さん)
ストレスや病気に強い体をつくるためには、毎日の食べ物が大切です。できれば、それにサプリメントを上手に組み合わせて栄養バランスを整えたいもの。サプリメントだけでも、食生活だけでも、不足が出てしまいます。サプリメントを健康維持や、健康上の問題の改善に上手に利用していきましょう。
後藤典子さん
フリージャーナリスト。日本サプリメント協会代表。取材を通してサプリメントの情報を明確に整頓する必要性を痛感し、2000年サプリメント協会を発足、翌年6月にNPOの認定取得。著書には『サプリメント健康バイブル』(小学館)などがある。