気血水のバランスを考えてトータルで健康に
東洋医学の源、漢方
「漢方は、東洋で発達した医学です。西洋医学は、さまざまな検査などを経て病名が診断され、それに対して治療が行われますが、漢方では、体全体のバランスを整えることで不調を改善していくので、病気未満の方でも治療の対象になります」
と、若草漢方薬局店長の高村優子さん。
漢方の考えでは、体の中を流れる気・血・水のバランスが健康のカギと考えられています。
「“気”とは、体を流れるエネルギー。気力や元気といった言葉に使われるように生命の源のようなものです。経路という言葉を聞いたことがあると思いますが、これは、体内を網の目のように走っている気血の通り道です。“血”とは、血液のこと、滞れば血液がドロドロになるだけではなく様々な不調の原因に。そして“水”は、リンパ液や汗など、体内を巡る血液以外の水分のこと。水が滞って代謝が悪くなると体がむくんだり冷えたりします」
漢方では、これら「気血水」のバランスが崩れると不調が起こると考えられています。
「そのため、出ている症状や体質からバランスの崩れの原因をさぐり、一人ひとりに合った漢方薬などが処方されます」
様々な角度から体や心の状態をチェックし、五臓の働きを考えながら、その人全体のバランスを診ていきます。
「血のめぐりが悪い場合は“瘀血”水のめぐりが悪い場合は“水毒”というように、大きく6つのタイプに分類されますが、瘀血は女性に多く見られます。ニキビ、しみ、肩こり、頭痛などが起こりやすく、生理が重くなりやすいタイプ。冷えやストレス、過労、偏った食事や運動不足などが主な原因と考えられ、漢方の考えでいう”血を汚す食べ物“=コーヒー、チョコレート、肉などを摂りすぎたり、不規則な生活をしたりしていると、瘀血になりやすいと考えられています。なりやすい病気としては、子宮筋腫や高血圧、更年期障害などがあげられます。」
漢方ではこのように、タイプ別に分類され、それぞれのタイプに合った漢方薬や体質改善法が提案されます。
「気血水のバランスは季節や、年齢によっても変化しやすいものです。
漢方の考えでは、女性は7年ごとに体が変わるといわれ、28〜35歳が女性らしさのピーク。しかし、最近ではその年代にもかかわらず、すでにプレ更年期の状態になってしまっている人も少なくありません。その原因はやはり、ストレスの増加や生活の乱れなどがあげられます。また、出産の回数が少ないため、生理の回数が昔の女性の何倍もあり、それが体への大きな負担になっているといわれることも。いずれにしろ、生活が忙しくなればなるほど、体のバランスは崩れやすくなっていきます。多忙な現代女性はその分、自分の体に目を向けてあげることが大切なのです。」
![]() 高村優子さん 製薬メーカー研究所勤務、薬局勤務を経た後、身体全体を整えてゆく漢方の考え方にひかれこの世界へ。若草漢方薬局では漢方相談を担当。二児の母、妻としての経験も活かし、幅広いアドバイスを行う。現在、漢方セミナーでの講演や本の監修、HPでのコラム執筆など活躍の場を広げている。 |