料理の調味料として使われる「みりん」。じつは昔はお酒として人々に飲まれていたのだそう。いまではお酒として見ることはあまりないですが、なぜ現在のように「飲めないみりん」が主流になったのでしょうか。

みりんは古くからの栄養ドリンク

そもそも、みりんとはどうやって作るの? 「白扇酒造」の加藤祐基さんによると

「みりんがお酒のように飲めると聞くとみなさん驚かれますが、そもそもみりんは米麹・もち米・米焼酎から造られる甘いお酒の一種で、古くは『蜜醂酒(みりんしゅ)』と呼ばれていました。江戸時代には夏バテ予防の栄養ドリンクとして、また寒い夜には寝酒として飲まれていたんです」

(「FOODIE」より引用)

古くからの栄養ドリンクというと甘酒が浮かびますが、みりんも滋養たっぷりの飲み物として人々に親しまれていたのですね。あまり知られていませんが、れっきとしたアミノ酸たっぷりの発酵食品でもあります。お肌の調子が悪い時や、疲れた時にはぴったり。

戦後の高度成長期に安価なみりん風調味料が多く売られるとともに飲むことを次第に忘れられて行ってしまったという本来のみりん。では本みりんであればお酒として飲めるの? というとそうではないようです。

「飲めるみりん」はまるでブランデーのよう

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飲むことができる本みりん(=本物のみりん)は「1.米麹」と蒸した「2.もち米」「3.米焼酎」の3つだけを合わせて発酵させ、数年間熟成させたもの。
一方、飲めない本みりんは「飲める本みりん」を約4倍に薄め、「醸造アルコール」や「糖分」で味をととのえて製造されています。あくまで調味料向きの商品であり、お酒として楽しむには抵抗を感じる味なのです。

(「FOODIE」より引用)

現在のものは本みりんといっても中身は意外と違います。見分けるには「米麹」と「もち米」、「米焼酎」の3つだけでできているか原材料をチェック。これらを合わせて発酵させ、数年間熟成させたものがお酒としていただけるのですね。でも生産量は国内でも2〜3%というからその少なさにさらに驚き。購入すらできるのかしらと不安になるぐらいの割合です。

いまとなっては貴重な「飲めるみりん」はそのままでも美味しいそうですが、柑橘を加えたサワー、お湯割り、ロックなどと様々に楽しめるそう。ブランデーのようとも言われる風味はどんな味? と気になってしまいます。「FOODIE」では3種のみりんが紹介されていますがどれもこっくりした琥珀色がとっても味わい深そう。料理にもこくのある甘みを与えてくれるのだから美味しい、というのも頷けます。熟成具合によって味も変化していくというからますます興味がわいてきます。

栄養もある美味しいお酒が思いのほか身近にあることに驚きましたが、これからはみりんの見方が変わっていきそう。早速取り寄せて試してみたくなりました。

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