197

フランスの2月を代表するお菓子と言えば、なんといっても「クレープ」。というのも、クレープを食べる伝統の日が、2回もあるのです。

2月2日のシャンドラー

そのうちひとつは2月2日のシャンドラー(聖燭祭)。もともと、古くから民間にあった行事に、宗教上の意味を持たせたもので、イエズスが生誕40日目に、初めて神殿参りしたことを祝う日です。

この日クレープを食べるのは、黄色く輝く円形が、太陽を思わせるからだと言われています。冬至前後の暗い日々を通り越して、春が近づく時期であることに関係するのでしょう。また、別な説では、5世紀のローマ教皇グラシウス1世が、巡礼者にクレープをふるまったことに由来するともいいます。

フランスでは、シャンドラーのクレープを焼くときは、手にコインを握り、フライパンからクレープを高く上げます。うまく裏返って再びフライパンに着地すれば、幸運がやってくるのだそうです

カーニヴァル最終日のマルディ・グラ

もうひとつのクレープを食べる日は、マルディ・グラです。マルディ・グラは、復活祭から47日前の火曜日。復活祭は3月21日以降、最初の満月の次の日曜日なので、毎年日付が異なります。マルディ・グラも同様で、年によっては3月に入ることもありますが、多くの場合は2月。2017年は、2月28日にあたります。

宗教カレンダーでは、マルディ・グラの翌日から四旬節に入ります。四旬節は、イエズスが砂漠で断食をして過ごした40日間をなぞらえていて、本来は、動物性のものや甘いものなど贅沢なものを節制して過ごす期間とされています。

そのため、前日のマルディ・グラに、卵やバターたっぷりのクレープやゴーフルを食べる習慣が生まれました。

クレープの盛り付けいろいろ

クレープレストランでは、そば粉入りのガレットと、小麦粉のみのクレープを区別していて、塩味の食事はガレット、甘いデザートがクレープです。もともとはブルターニュの料理ですが、今では全国全世界に広がっています。

そのクレープ、盛り付け方もさまざまです。

シガレット

子どものおやつでよく見かけるのは、クレープをくるくると巻いたもの。シガレットとも呼ばれます。お砂糖をふりかけただけとか、ジャムを薄く塗っただけというシンプルな味が多いですが、意外に人気の高い食べ方です。

4つ折り、6つ折り

最もオーソドックスなのは、4つ折り、あるいは6つ折りのクレープでしょう。フルーツのクーリやチョコレートソースに合うようです。

Giulia さん(@heycaragiulia)が投稿した写真 – 2017 1月 19 10:30午後 PST

4つ折りクレープ

 

Buenacafeさん(@buenacafe)が投稿した写真 – 2017 1月 15 10:19午前 PST

6つ折りクレープ

ショーソン

端を折って真ん中から中身が見えるようにしたものは、ショーソンと呼ばれます。塩味ガレットだと、真ん中によく乗っているのが卵。

ショーソン風ガレット

クレープなら、真ん中からアイスクリームや果物をのぞかせたいところです。

オーモニエール

一番華やかなのは、巾着のように上をしばったオーモニエール。果物やアイスクリームをしっかり詰め込めるのも嬉しいところです。

バニラアイスとベリーソースを包んだオーモニエール

 

Phanara SOKさん(@phansok)が投稿した写真 – 2015 12月 8 7:17午前 PST

リンゴのソテー入りオーモニエール

フィセル

人数が多くて、オーモニエールをつくるのが大変! というときは、春巻きのように巻いたフィセルもおすすめです。上品さも演出できます。

Tic_jimさん(@tic_jim)が投稿した写真 – 2017 1月 19 8:53午後 PST

フルーツたっぷりのフィセル

コルネ

クレープをアイスクリームのコーンのように持つ食べ方をコルネと言いますが、フランスではめったに見かけません。ある雑誌では、「日本のクレープの食べ方」として紹介されていましたから、もしかしたら、発祥地は日本なのかも?

こちらは当然、歩きながら食べるのが正解

ガトー

クレープとジャムやソースを何層にも重ねて、ケーキのようにしたものをクレープ・アン・ガトーと呼びます。要するにケーキ風クレープです。

 

@helenlautaylorが投稿した写真 – 2017 1月 24 4:50午後 PST

来客数が多いときなど、前もって準備しておきたいときにおすすめ

 

盛り付けを少し変えるだけで、カジュアルにも、ロマンチックにもなるクレープ。TPOに合わせて工夫すれば、より美味しく楽しめそうです。

image via Shutterstock

Ranking

RELATED ARTICLES