私が生まれたのは富士山の麓の町、静岡県富士宮市です。実家があるのは、地元の人たちからは「登山道」と呼ばれる、富士山に向かってまっすぐのびる道のそば。毎日、朝から夕方まで当たり前の景色のかたわらに富士山がありました。

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通称・登山道は、高校時代の通学路。富士山に向かう坂道で、必死に自転車をこぎました。

先日、ニュースで「富士山初冠雪」の知らせを聞きました。初冠雪とは、『山の一部が雪等の固形降水により白くなった状態が初めて見えたとき』。つまりは夏が過ぎて初めて、富士山頂が白く雪で染まったときのこと。富士山を見て、「明日の天気は雨だな」などと予測する私たち麓の人間は、「ああ、また冬が来る」と、富士山の姿に移りゆく季節を感じるのです

景色の中に、富士山を探してしまう

私は相変わらず、東京で暮らしながらも、景色の中に富士山を探してしまいます。新宿の高層ビルにあがる機会があった今日も、遠くに富士山は見えないか、目を見張りました。なぜなら、私の父と母は富士山のあの三角形の中で暮らし、富士山は私が帰れる場所の目印だから。見つけると、切なくなったり、安心したり。大事な大事な存在です。

自分の目で実際の富士山を眺めることは叶いませんでしたが、おやつは甘い富士山を。河口湖畔にある「FUJIYAMA COOKIE」で、山梨土産として作られているフジヤマクッキー。生地は、バニラ、ストロベリー、抹茶、ショコラの味で、頭にホワイトチョコレートの雪をかぶっています。

日本人はたいてい富士山と描くとき、水色と白を使いますが、富士山は日ごと表情を変え、見える色も実にさまざま。白かったり、茶色かったり、緑だったり、赤く染まったり。よく祖母は富士山を見上げ「毎日、何十年も見ているけれど、飽きないねえ」と言っていました。

富士山クッキーはきっと、富士山のことをよく知った人が考え出したのでしょうね。

[FUJIYAMA COOKIE]

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