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女性数人で仕事の打ち合わせをしていたところ、話がそれて、おやつの話題に。はて、卵白と砂糖とアーモンドを使って作るパリ風のマカロンは、いつ頃から日本で一般的になったのだろう。ふとした疑問がわきおこり、それぞれの記憶を辿り始めました。

私が上京した15年前は、まだマカロンは珍しく販売しているお店も今より限られていたはず。自分で買うなどほとんどなくて、仕事相手の編集者さんにいただいたときは、翌日のおやつに友人を招き、一緒に大事に大事に味わったことを思い出しました。

小さい子どもが「マカロン買ってー」と母親におねだりしているのを見て、なんておませさんだろうと微笑ましく思ったことがあったけれど、今の子どもたちにとってマカロンは、私が子どもの頃に好きだった、「タヌキケーキ」のようなものかもしれません。(タヌキケーキとは、昔はごくごく普通に洋菓子屋にあった、タヌキの顔のチョコレートケーキのこと。今も、昔ながらの洋菓子屋さんで、ときどき見かけます)

二十歳の女の子を自宅に招いて食事会をしたときは、バタークリームのデコレーションケーキをデザートに出すと、「初めみました。食べたこともありません」と、目を丸くしていたのに、こちらもびっくり。おやつの主流は、10年、20年で変わっていくものなのですね。自分の日々の習慣として、記録を続ける「おやつの時間」も、何十年と時が経てば、この時代を思い返すてがかりとなるかもしれません。

161007_oyatsu52_01.jpgそんなことを考えながら、本日のおやつは「テオブロマ」のマカロンを。ショコラ、ピスタチオ、シトロン、バニーユ、フランボワーズ、5つの味を分け合って。

樋上公美子さんによる白鳥の絵の箱に入ったマカロンセット。普段から贈りものの定番ですが、誰かのために求めるばかりで自分で味わう機会はあまりなく、だからこそ手土産にいただき大喜び。濃厚なピスタチオのバタークリームやフランボワーズのジャムの後味を胸に抱き、夕方からのひと仕事に、さあ励みましょう。

[テオブロマ]

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