サン=テグジュペリ『星の王子さま』は、「おとなは、だれも、はじめは子どもだった」「大切なものは、目に見えない」などの名言がいくつもちりばめられた世界的な名著です。私も10代の思春期から数年おきに読み続けていますが、本を開くたび違う場面や言葉に胸を打たれるのは、自分自身が少しずつ変化している証しでしょうか。

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「うわばみに飲まれた象」ポストカード

話の中に「うわばみに飲まれた象」という、一読するだけではなんのことやら分からないフレーズが登場します。うわばみとは大蛇のことで、本の語り部である飛行士の『私』は、幼い頃に大蛇が象を飲み込み腹部が山のように膨れ上がった絵を描き、下手な帽子の絵だとおとなたちに笑われてしまいます。そのことがきっかけで画家の夢をあきらめ、『私』は孤独な飛行士になりました。

160719_oyatsu_02.jpg中学生の私は挿絵に惹かれ、うわばみに飲まれた象の絵のファンになりました。雑貨店で見つけたその絵のカードを部屋に飾ったり、箱根の「星の王子さまミュージアム」でブローチを求めたり。うわばみに飲まれた象を見ると、「自分が感じるままでいいんだ」と心強くなれるのです。

先日、偶然にも埼玉の「寄居パーキングエリア」に立ち寄ると、そこは「星の王子さまPA」という愛称で、南仏プロヴァンスの街並みを模した建物の中に、『星の王子さま』に関連する雑貨店やレストランが並んでました。

その中のひとつに『星の王子さま』に登場する気難しいバラの名前を冠した「Magasin Capricieux(マガザン・カプリシュー)」という店があり、うわばみに飲まれた象の形の人形焼「うわばみ焼」を販売していたのです。

迷わず求め、車内でおやつの時間。それから東京へのお土産にも。卵たっぷり、お祭り屋台の懐かしい味でした。

[星の王子さまミュージアム,寄居PA,Magasin Capricieux]

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