南イタリアの夏野菜のおいしさは格別です。トマト、ナス、ズッキーニ、パプリカ、トウガラシ。日本よりも日が長いうえに、ほぼ毎日晴れて太陽を浴びるので、ビタミンをたっぷり蓄えて色も味も香りも強くなるのです。

20160725_italy2.jpg日曜日、みんなが集まるテーブルの主役

中でも、丸々と大きくつやつやのナスを使った「パルミジャーナ」は夏の象徴のような存在。これはカラブリアと、すぐ隣のシチリアに伝わる郷土料理です。この季節にだけ味わうことができるメニューなので、少々手間はかかっても夏のあいだは頻繁に作られ、日曜日の昼食など、ひとが集まる食卓に大皿で出すと一躍主役の人気者です。

油で揚げてうまみを増したナスとトマトソース、バジリコ、チーズを層にしてグラタンのように焼くのが基本形ですが、さらにゆで卵やハムを入れると栄養もプラスされてごちそう感も増します。

また、よく火を通してあって傷みにくいので、山や海に遊びに行くときに持っていく定番料理でもあるそう。私の夫も子どもの頃、おばあちゃんお手製のパルミジャーナをいつもビーチに携えて行っていたといいます。暑い日には冷蔵庫で冷やして食べてもいいし、作った翌日・翌々日はさらにおいしくなるという声も聞きます。

パルミジャーナ(8人分)

【材料】

丸ナス(なければ手に入りやすいもの) 大4~6個

卵 4~5個

薄切りハム 50~80g

バジリコの葉 15枚くらい

プローヴォラ(スカモルツァ)チーズ、またはお好みのとろけるチーズ 100~150g

パルミジャーノレッジャーノチーズ 20~30g

パン粉(細かいもの) 20gくらい

トマトピューレ 400~500ml

タマネギ 1/4個

塩 適量

エクストラヴァージンオリーブオイル 適量

【作り方】

1. 丸ナスを横に5~8mmくらいのやや薄切りにし、軽く塩をまぶして重石をし、1~2時間放置して水分とアクを出す。

20160725_italy3.jpgその後、手で絞ってさらに水気を切り、180℃に熱したオリーブオイルできつね色になるまで揚げる。

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2. 卵を固茹でにし、殻をむいて5mm程度の輪切りにする。プローヴォラチーズも同じように輪切りにし、手で2~3cm幅にちぎる。

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3. フライパンにオリーブオイルをひいて、みじん切りにしたタマネギを炒め、トマトピューレを加えて5~10分煮詰める。トマトソースのできあがり。

4. グラタン皿のような深さのある耐熱皿に、材料を層になるように重ねていきます。下から順に、(1)トマトソース→(2)バジリコ→(3)ナス→(4)トマトソース→(5)パン粉(少し)とパルミジャーノレッジャーノ→(6)ゆで卵とプローヴォラ→(7)ハム。これが1層目で、2層目も同じように(1)~(7)を重ねます。そして、最上部に(8)ナス→(9)トマトソース→(10)バジリコとプローヴォラとパルミジャーノレッジャーノを乗せて準備OK。

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5. 180℃のオーブンで30~40分焼く。表面のチーズがとけ、いい焼き色がついたらできあがり!

具材やその量、重ねる順番、層の数などは、家庭ごとにオリジナルレシピがあるといわれます。あまり細かいことを気にせずに自由に作ってもおいしくできますよ。

もし余ったら、パスタのソースにもなります。まるで日本のカレーのような万能さですね。

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