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わたしは、セメント袋が好きだ。いや、違う。

結果としてそれがたまたまセメント袋であって、小麦粉袋でも腐葉土袋でもいいのだが。

とにかく、ヴェトナムの市場でもタイでもインドでも、かっこいい横文字が並んでいるビニール製の、どうみてもリサイクルしている風の「何か」に出合うとこころ惹かれる。作っている人は、それがまさかかっこいいことなんてさらさら思っていないだろう。その素っ気なさに更なるかっこよさを感じてしまうのだから、一粒で二度美味しい。

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モロッコから届いた荷物の梱包に使われていたセメント袋のあまりの素敵さに、せっせとシワを伸ばして額に入れてしまったほど。きっとモロッコ人が見たら100%失笑する。

なんせビニー ルだから濡れても気にならない。子どもの水浴びバッグにしたり、赤ん坊のおむつ入れにしたり、何かと便利でしかも軽量。

そして最近、またもや見つけてしまったカンボジア製のセメント袋グッズあれこれ。お店の人の説明によると、「ごみ捨て場から拾ってきたセメント袋を、いちまいいちまいきれいに洗って日本製のミシンで縫ったもの」とか。それを拾う行程からすべてやっているのはたったひとりのおばちゃん。気骨なおばちゃんの精神に乾杯。

なにより、「日本製のミシン」ということで、「すぐにはほつれないよ」ということをアピールしている。デザインもいろいろ、大きめバッグからリュック、折りたたみバッグ、魚や象のモチーフバッグ、ペンケース、コインケース、財布、コスメポーチ……。何十種類もあるって、おばちゃんすごいなぁ!

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そして今回わたしが購入したのは象の絵が描いてあるシリーズ。象の表情がなんともいえない。そしたら店の方が「これは、エレファントセメントといって、現地ではNo.1シェアを占めているメーカーなんですよ」と教えてくれた。セメント袋好きとしては、今回は王道を攻めてしまったようだ。

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