3月ローマにて『World Happiness Report 2016』が公表され、調査対象156か国のうちデンマークがふたたび「世界で一番しあわせな国民」という結果が発表されました。2012年、2013年、2015年に続き、今年は4回目。デンマークはそのうちの3回で1位になっています(ちなみに、今年の日本は53位でした)。「しあわせ」という、もっとも主観的なことがらをどうやって客観的に計って比較するのか。調査は6つの、なるほどと思わせる設問からなっています。

しあわせ度を計るための6つの質問

1. あなたが住んでいる国の、国民ひとりあたりのGDPは?

2. 健康寿命は何年くらいだと思いますか?

3. こまった時に頼れる人はいますか?

4. 政府や企業を信頼していますか?

5. 人生の選択自由はありますか?

6. 他の人を助けるために、寄付などをしますか?

(「ワールド・ハッピネス・レポート」より引用翻訳)

回答は10段階式で、いまの自分、または住んでいる社会は「このあたり」と思うところにマークします。

しあわせ度を左右する要素は

そして概論として浮かんだことは、「社会に不平等感が少ない国ほど、ランキングが上位である」ということ。それならデンマークが1位になるのもうなずけます。

デンマークは平等感にとても敏感かつこだわる社会で、不平等感がある事がらがあればテレビでも家庭でもカップル間でもしっかりと討論します。会社でも人間関係は対等。ちいさな企業ではもちろんのこと、世界的に大きな企業でも上司を肩書で呼ぶことは皆無。ファーストネームで呼び合います。「女のくせに」という「〇〇のくせに」という軽べつするような言葉も、デンマーク語には存在しないほど。

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カップル間のミリミーター・デモクラシー

カップルは完璧なまでに家事を分担。そのぴったりと平等に分けるさまは、時として「ミリ単位」と呼ばれるほど。たとえば、デンマークでも日本と同じように保育園が足りない状況はありますが、その問題に悩むのは母親ひとりだけはありません。父親も仕事をやりくりして、いっしょに問題を負担します。

話しあうことの大切さ

もちろんデンマークにも大きな問題がいろいろとあります。でもとにかく特徴的なことは、その問題について積極的に「よく話しあう」こと。「自分の意見」を言って「相手の意見」をよく聞く。問題の大小にかかわらず「話さなくても分かるはず」というコンセプトはありません。

単純なことのようですが、デンマークのしあわせ度の高い社会を作っている要素は「話しあう」こと、と言えそうです。

ワールド・ハッピネス・レポート] 

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