国立にあるかご専門店世界のかご カゴアミドリ」は、素材も形も様々な世界のかごがずらりと並ぶ、まるでかごミュージアム

店名はかご状の巣を上手に編む鳥(英語でWeaver Bird)からインスピレーションを得て名付けられた、かご好きのあいだでは有名なお店です。

春、鳥の巣作りシーズン真っ只中にお店にお邪魔して、かごにまつわるエトセトラやインテリアに取り入れるアイデアも伺いました。

かごを通して見えてくる日本の自然環境

オーナーの伊藤征一郎さんは山登りが好きで、以前はアウトドアメーカーに勤務していましたが、以前からかごに特別な思い入れがあった訳ではなかったのだそうです。

しかし当時から、「自然と人に配慮することを意識して、社会的問題の解決になるような仕事をしたい」という思いがあったそう。

産地と作り手が密接に関係してくるかごの世界は、伊藤さんの仕事に対する思いとシンクロする部分が多くあることに気づきました。そして、奥様と一緒に6年前にかごのネットショップをオープンしたのが、伊藤さんとかごの繋がりの始まりです。

オープン以来、「年に1度は直接顔をあわせたい」と全国の作り手さんを訪ねている伊藤さん。「無事に届いたかごを見ると、その間にどんな暮らしをしてきたのか目に浮かびます」と言うほど、まるで家族のような作り手さんとの関係が垣間見られます。

また作り手さんと一緒に、竹やあけび、またたびといった材料を取りに行くこともあり、「僕にとって、かごの作り手さんとの関係は、農家さんと八百屋さんに近い感じです」と語ります。

作り手や産地と深く関わることで、自然環境の変化や作り手の立場など、様々な問題が見えてくるそう。

かご収納ビギナー向けは四角いかごから

春から夏のシーズンは、かごを使ったインテリア収納をはじめるのにいい季節。

「長い時間を経て、合理的な考えで作られた生活必需品や道具ばかりです。かごを通して産地のことを知ってもらえたらうれしいし、本来の用途を知ってもらえると、使う楽しさがもっと増してくるように思います」とのこと。

そこで、「カゴアミドリ」さんのかごを使ったインテリア収納アイデアを考えてみました。

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沖縄クージカゴ(5,040円)は、様々なシーンで使えそうなサイズ。玄関の小物置きにすれば、朝の忙しい時間にバタバタせず、気持ちよく出かけられそうです。

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青森・弘前市で活動している竹内啓子さんのあけびカゴ(23,760円)は、Tシャツを入れるのにちょうどいいサイズです。

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かさばりがちなデニムは、宮城の篠竹と桜の脱衣かご(中・12,960円)に丸めて入れるとコンパクトに収納できます。

四角いかごは使いやすく、収納にも適しています」と伊藤さんからアドバイスをいただきました。整理整頓の苦手な人にも見せる収納は簡単なのでおすすめです。

カジュアルな普段着の収納にかごを使うと少し気分も変わり、部屋全体の印象も変わってくるはず。

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白竹四つ目トレイ(L・13,500円) は大分の若手作家・清水貴之さんの作品。

洗礼されたデザインのトレイで、大ぶりなアクセサリーを入れて見せる収納に。贅沢な使い方でインテリアセンスもワンランクアップ。

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やなぎの特徴である多彩な色と形がおもしろいイギリス製のフルーツトレイ(L・8,100円)。パンやフルーツを盛ると、テーブルコーディネイトのアクセントになること間違いなしです。

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長野またたび弁当かご(小・8,100円)は、デスク周りで小物入れとして本体とふたの両方を使える便利な一品。味気なくなりがちなパソコン周りが、天然素材のしなやかな素材感で温かいイメージに。

「かごの好きな方とお話していると、食べ物や環境に関心の高い方が多いようです。普段の暮らしにかごを取り入れることは、今の時代の暮らし方を見つめ直す一歩になると思います」と語る伊藤さん。

かごはおしゃれなイメージが先行しがちですが、産地の自然や作り手の環境といった背景を見つめることがいかに大事であるかわかりました。

そして自称かご好きの私は、以前にも増してかごへの愛着が深くなりました。

※表示価格はすべて税込です。

世界のかご カゴアミドリ

住所:東京都 国立市 中1-15-6 菅野ビル2F

Tel: 042-507-9087

オープン:木・金・土・日曜日 11:00~17:00

吉祥寺・ギャラリーフェブでスタイリストの小澤典代さんと一緒に毎年恒例の「かご展」【2016年4月30日(土)~5月7日(日)】開催予定。

(写真・文・スタイリング/石黒美穂子)

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