イタリアは、ヨーロッパのなかでも特に豆類をたくさん食べる国だそう。何千年も前からレンズ豆やインゲン豆が栽培されていたのに加え、ローマ帝国時代にはシルクロードを伝ってインドやアラブ諸国の豆料理の影響も受けたようです。

日本で知られるイタリア料理にはあまり豆のイメージがありませんが、実際には家庭でもレストランでも豆料理はメジャーな存在です。

古代からあるスーパーフード

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わが家でよく食べるのはインゲン豆、ヒヨコ豆、そしてレンズ豆。レンズ豆は、アメリカの健康専門誌で「世界5大健康食品」に選ばれたほど栄養価の高いスーパーフードです。たんぱく質やビタミン・ミネラルが豊富なのに、脂質はほとんど含みません。豆は良質なたんぱく源として肉類よりも手ごろで、さらに保存がきくのもいいところ。

またレンズ豆はちいさくて皮も薄いので、ほかの乾燥豆のように長時間水に浸けておく必要がないのです。手間も時間もかからず扱いやすい豆です。

今回のパスタ入りレンズ豆のスープも簡単。でも日本にはない味で、豆のほくほくとパスタのつるんとした食感のコントラストも楽しいです。私は初めて食べたときその滋味深さに感嘆し、まさに「栄養のあるものはおいしい」のだということを実感しました。一皿食べるとあらゆる栄養がチャージされて力が湧いてくるような気がする、お気に入りの料理です。

パスタ入りレンズ豆のスープ(7~8皿分)

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【材料】

  • レンズ豆(乾燥) 500g
  • 水 2ℓ
  • タマネギ 1/4個
  • ニンニク 2片
  • プチトマト 2~3個
  • スパゲッティ 200~300g
  • 黒コショウ

【作り方】

1. タマネギ、ニンニクを細かく切る。圧力鍋にオリーブオイルをひいて炒める。

2. レンズ豆、水、みじん切りにしたプチトマト、塩、黒コショウを加えて20~30分煮込む。※普通の鍋で作る場合は、40~60分。

3. スパゲッティを手で3~4㎝の長さに折って鍋に加えて煮込み、柔らかくなればできあがり。

パスタはスパゲッティを折って短くするほか、ディタローニかトゥベッティといったショートパスタもよく使われます。手に入りやすい、お好みのものでOKです。かわいい形のパスタだと見た目にも楽しいですね。

[参考文献:論文『料理書からみた世界の豆料理の調理特性 ヨーロッパの豆料理』吉田真美著(豆類時報/日本特産農産物協会編)]

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