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私が住んでいるカラブリア州は海も山もあって、まさに自然に恵まれた土地。とくに農業が盛んで、オリーブ、ベルガモット、赤唐辛子などが特産です。

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レッジョ・カラブリア郊外から、中心街とメッシーナ海峡。右はシチリア島。

旬の立派な野菜やフルーツがどれも驚くほど安い値段で買えますし、昔から郷土料理には野菜がたくさん使われてきました。

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私たちの畑。手前にタマネギ、ブロッコリー、奥にビワやベルガモットの木

ちなみに南イタリアの野菜・魚介・オリーブオイルに対して、北イタリアではバター・チーズ・肉・きのこなどが食卓の中心。北イタリアは寒冷で山間部での酪農が多いからなのですが、気候も食もひいては人の気質まで、南北で大きな違いがあるのです。

カラブリア料理のポイントは赤唐辛子

さて今回のレシピは、ブロッコリーを使った昔ながらのパスタ料理です。ブロッコリーは地中海沿岸が原産で、古くからこのあたりで食べられてきた野菜のひとつ。シンプルな味つけで炒め、赤唐辛子を効かせるのがカラブリア流です。

日本では歯ごたえを残すのが鉄則のブロッコリーも、ここではじっくり芯まで火を通します。蒸すように調理することで、眠っていた滋味が引き出されるのか、水分が飛んで凝縮するのか、とにかく風味が濃くなるのです。食材の底力を味わえるような、そんな一皿。やはりここでも栄養はおいしさなのだと実感します。

うまみをプラスするオリーブオイルとチーズ

今回のように、食材そのものを楽しむ素朴な味つけが多い南イタリアの料理。日本でいう「だし」的なものは入れないかわりに、好みに応じて各自テーブルでオリーブオイルやパルミジャーノレッジャーノチーズをかけてうまみを足します。この2つは「だし」でもあり、「醤油」でもあるような存在で、料理にふくらみを持たせるのに欠かせない調味料といえます。

ブロッコリーのスパッカテッレ(4人分)

【材料】

  • ブロッコリー 2株
  • スパッカテッレ または お好みの乾燥パスタ 400g
  • にんにく 2~3片
  • 赤唐辛子

〈お好みで〉

  • エクストラヴァージンオリーブオイル
  • パルミジャーノレッジャーノチーズ

【作り方】

1. ブロッコリーは食べやすい大きさに切って軽く塩茹でし、ざるにあげておく。

2. フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて火にかけ、香りが立ってきたら、ブロッコリー、塩、赤唐辛子を入れて炒める。全体がなじんだら、蓋をして弱火で15分ほど蒸す。時々かき混ぜたり、必要ならすこし水を差し入れたりしてください。茎がフォークで簡単に切れるくらい柔らかくなれば、火からおろす。

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3. パスタがアルデンテに茹であがったら、フライパンのブロッコリーを再び火にかけパスタを加えて混ぜ合わせる。このときパスタの茹で汁をおたま1杯加えると味がなじみやすいです。

4. お皿に盛り、お好みでエクストラヴァージンオリーブオイルとパルミジャーノレッジャーノチーズをかけてできあがり。

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スパッカテッレ

スパッカテッレというのは、マカロニを縦に割ったような形のパスタ。この溝にちょうどブロッコリーが入り込むので相性がいいのですが、もちろん他のパスタでもOKです。

ブロッコリーの代わりにカリフラワーでもよく作ります。その場合、イタリアンパセリを加えると色も香りもよくなります。

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