はじめて味噌を手作りしたときに、その原価の高さにびっくりしました。自分で作ると、たいていのものは安くなりますが、味噌や醤油は一般的に売られている大手メーカーのものに比べると、かなり高価になります。安価な物は、たいてい短期間で発酵されたものです。通常、できあがるまでには味噌でだいたい8〜12カ月、八丁味噌では3年かかります。長い時間をかけて発酵させることで、陽性になっていくのですが、温度を上げることで短期間で発酵させたものは、同じ味噌でも、味だけではなくそのパワーが変わってきます。

また、味噌の酵母は発酵が進むとエチルアルコールを発生させます。このアルコールが発酵しすぎを止めるのですが、時間がかかります。成分表を見ると、醸造アルコールや酒精と書かれているものがありますが、これは酵母の働きを止めるためのもの。発酵を止めることでガスの発生を防ぎ、容器が破裂するのを防ぐのです。

つまり、これらが含まれているということは、発酵が止められた「元」発酵食品ということ。また、以前味噌屋さんにお話を聞いたところ、醸造アルコールが含まれていなくても、加熱処理をして発酵を止めているものもあるそうなので、本物の味噌を手に入れるのは難しくなっているのかもしれません。

さて、本来の作り方で作られたものも、そうでないものも、成分を分解すれば、 どちらもほとんど同じかもしれません。でも、実験室で測ることのできない何か、があると思うのです。そしてむしろ、私たちはそちらを食べ、自分の身にしているのではないかと思うのです。

味噌を選ぶときは、原材料が大豆、塩、米のみのもの醤油は大豆、小麦、塩のみのものを選びます。アルコールなどが含まれているものよりは高価になりますが、昔ながらの製法で作っているものを買いたいと思っています。自分の心身にいいものを選びたいのと、そういう製法で作っている会社を応援したいから。

お金を使うということは、投票のようなもの。たとえば、有機栽培の物を選ぶことは、地球やほかの生物への負担が少ない方法をとっている人に投票をすることになります。安いから、ではなくどこにお金というエネルギーを回したいか。食べることは毎日のこと。食材を選ぶ基準をそこにおく人が増えたら、何かが変わっていくような気がするのです。

今日食べたもの:あんかけラーメン

寒い日は、あたたかくて汁気の多いものがほしくなります。汁気にとろみがあればなおよし。というわけであんかけラーメンにしました。

スープを作ります。昆布椎茸で濃いめにとった出汁汁に、醤油、砂糖、塩で好みの味付けにします。少し濃いくらいが麺を入れたときにちょうどいいです。少し多めに作っておきます。

お好みの野菜を適当なサイズに切ります。フライパンにごま油を熱し、みじん切りにした生姜をたっぷりとヒンを加えて香りを出します。野菜を加えて火が通ったら、スープを少し加え、葛粉でとろみをつけます。

器に茹でた麺、スープを入れ、野菜をのせてできあがり。お好みでメンマもどうぞ。この日は、残りもののベジ団子も加えました。

※味噌仕込みでのアルコールの使用方法についての表現が誤ったものになっておりました。正しくは味噌の発酵を止めるために使われている旨を修正および追記いたしました。(2015年12月24日)

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