近年、ハワイではグラスフェッド・ビーフの生産が拡大しています。

グラスフェッド・ビーフ(牧草牛)とは、穀物飼料を使わずに牧草だけで育てた牛肉のこと。穀物牛に比べると、脂肪分やコレステロールが少なく低カロリーで、ビタミンEやビタミンC、ベータカロチン、オメガ3などを豊富に含んでいます。地元産ヘルシーフードとして、ハワイでは人気が高まっているのです。

牛がのびのび育つサステイナブルな牧畜

グラスフェッド・ビーフは、基本的に成長ホルモンや成長促進剤を使用していないのも特徴のひとつ。牛は自然なペースで成長するので、狭い畜舎で育つ牛に比べるとストレスが減り、抗生物質や医薬品を与える必要がなくなります。

また、グラスフェッド・ビーフは、サステイナブルな牧畜としても注目を集めています。乾燥させたトウモロコシや大豆といった穀物飼料は、生産するのに大量のエネルギーを必要とします。石油をベースとした肥料や殺虫剤、収穫機械の燃料、輸送燃料など、あらゆる過程で石油が必要なのです。

ハワイのような離島では、飼料を輸入しなければならないので、輸送にもさらにエネルギーが必要になります。

よりよい牧草を育てる

畜舎での牧畜は、狭いスペースに大量の糞尿が排出されるので、これを移送する必要があるのですが、移送にコストがかかるため、畜舎の近くに遺棄する場合が多くなります。結果として、周辺の土壌は栄養過多となり、土壌や水の汚染を引き起こしてしまうのです。

牧草地で牛を育てた場合、糞尿は広いエリアに拡散され、オーガニックの肥料になるので、よりよい牧草を育てることにもつながります。

牛をナチュラルにのびのびと育てることは、まさに大地に根差したサステイナブルな牧畜といえるでしょう。ハワイ島は、地産地消への意識がとくに高いので、グラスフェッド・ビーフの需要と供給がとても高まっているのです。ハワイ島各地のレストランやスーパーマーケットでは、グラスフェッド・ビーフを提供するお店が年々増えています。

[Mealani’s taste of the Hawaiian range][Eat Wild]

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