日本には古来よりハレの日とケの日という世界観があります。ハレの日は、祭礼や年中行事などを行う特別な日、ケの日はいつも日常です。ハレの日はお節料理やお赤飯、鯛のお頭などのごちそうを食べ、ケの日の食事はいわゆる粗食。かつての日本ではこの、ハレの日とケの日の差がくっきりとしていたそう。

食べるもので考えると、現代の一般的な食生活は毎日がハレの日のような内容です。30品目摂らなければ……、肉も野菜も食べないと栄養が偏る……。それを実現しようとすれば、自然とハレの日の料理になってしまいます。でも、少し立ち止まって自分の体に耳を傾けたとき、どうでしょう。本当にそれらは必要でしょうか。

私の場合は、ノーでした。「一汁三菜を用意しなければ」と自分の体を無視して頭でっかちに食事をつくっていたこともあります。でも、今では朝食はスープを基本に食べたければパン、もしくはおじや。昼食はごはんとお味噌汁におかずが1品。おかずさえなくて、お漬け物だけ、ということもありますが、きちんと炊いたごはんとお味噌汁さえあれば、それだけで十分満足できるものです。そして夕食は、おじややお粥、リゾットなどかそばかうどん。普段、つまりケの日はこんな食生活です。糖質抜きなどが流行っている昨今、炭水化物がずいぶん多いですが、私もパートナーも太る気配は一向にありません。

でも、お客さんが見えるときなど、ハレの日にはおかずをいろいろと作ったり、デザートを用意したりします。楽しくおいしくいただきますが、やっぱり体はちょっと重たくなります。それでも、次の日からはまたケの日が続くので、重だるさはすぐに解消。ケの日があるからこそハレの日がいっそう鮮やかになります。ハレの日とケの日、ちょっと意識してみてはいかがでしょう?

今日食べたもの: 菜の花のキッシュ

ハレの日のあさごはんです。つい見ると買ってしまう菜の花。和食メニューは食べつくしたのでキッシュにしました。とっても軽いのでたくさん食べてしまいそうになります。

フライパンにヒン少しを入れて熱します。香りが出たら、適当なサイズに切ったにんじん菜の花を炒めて塩こしょうで下味をつけておきます。

木綿豆腐1丁豆乳100ml葛粉か片栗粉大さじ1味噌大さじ1塩少々をブレンダーにかけてなめらかにします。

焼いておいた生地小麦粉菜種油を混ぜて30分冷蔵庫で寝かし、型に入れて20分程度焼く)に炒めた野菜の3/4程度を入れ、豆腐クリームソースを流し入れ、残りの野菜を上に飾ります。お好みでチーズを乗せてオーブンで焼き色が付くまで20分ほど焼いてできあがり。

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