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マクロビオティックでは、すべてのものは陰と陽の2つのエネルギーを持ち、そのバランスのうえで成り立っていると考えられています。自然現象からお米一粒にいたるまで、すべてのものの中に、陰と陽のどちらの質もあり、この2つのどちらが多いかで、それを陰性、陽性と言います。陰陽は対立する関係にありながらも、お互いになくてはならない関係です。右がなければ左がないように、陰がなければ陽がなく、陽がなければ陰もありません。

20150314_vege_37_inyou.jpg黒は陰を表し、白は陽を表しています。陰陽のバランスは常に変化しますが、交わることはありません。でも、それぞれが補い合って円をつくっています。

マクロビオティックというと、玄米菜食のイメージがありますが、本来は「陰陽」のバランスをとる食事法です。また、「病気」は心身の陰陽のバランスが崩れることで生まれるとも考えられています。なんとなく難しい感じがするかもしれませんが、基本さえ覚えてしまえば、日々の食事で心身のバランスをとりやすくなります。

今回はまず、陰陽の性質からご紹介しましょう。

<陰陽の基本的な性質>

 

【陰性】

陰性の基本的な性質は「遠心力」です。中心から外に広がっていくエネルギーで、地球の中心から遠ざかる力が働き、「上に伸びていく性質」があります。
・ 柔らかい
・ 冷やすエネルギー
・ 秋や冬
・ 地、暗、静、前、裏、潤、抑制、女性
・ 紫・青・緑
・ 甘い・酸っぱい・辛い

 

【陽性】

陽性の基本的な性質は「求心力」です。中心へ向かって収縮していくエネルギーです。地球の中心へ向かう力が働き、「下に伸びていく性質」があります。
・ 堅い
・ 温めるエネルギー
・春や夏
・ 天、明、動、後、表、乾、興奮、男性
・ 赤・黒・橙・黄色   
・ 苦い・塩辛い

たとえば、にんじんやごぼう。これは地球の中心へと向かって伸びていくため、比較的陽性ですが、にんじんに比べるとごぼうのほうがより深く伸びていくため陽性が強めになります。さつまいもやじゃがいもは、同じように土の中にできますが、横に広がる力が強く、陰性。また、上に向けてぐんぐん伸びていくたけのこは陰性がとても強く、ゆっくりと葉を広げながら育つほうれん草はやや陰性です。

さらに、この陰と陽のバランスがとれているところを「中庸(ちゅうよう)」といいます。食べ物では玄米などの穀物が比較的中庸です。中庸のものは陰陽のバランスを崩しにくいため、マクロビオティックでは玄米を主食にしているというわけです。

次回はこの陰陽を食事に生かす方法をお伝えします。

今日食べたもの:ちらし寿司

春に向かって少しずつ暖かくなってきました。冬場はあまり食べたくならない酢飯もおいしく感じられます。

高野豆腐を甘辛く煮たものを、ごま入りの酢飯に混ぜた簡単なちらし寿司をメインにしました。ちょうど切らしていたのですが、にんじんがあれば高野豆腐と一緒に煮るとおいしかっただろうなあと思います。少し苦味のあるセロリを適当なサイズに切ってオリーブオイル炒めにしたもの、さっと茹でた青菜ミニトマト味噌ごまペーストを混ぜたもので和えたものをおかずにしました。寒さの中にも春を感じる暖かい日の食卓です。

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