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初めまして! フードプロデューサー、ケータリングシェフの寺脇加恵です。私は過去に重度のアトピーに悩んだ経験から、化学調味料不使用、一食で1日分の野菜が採れるレシピの世界各国のケータリング、レストランのメニュー開発などをしています。

慌ただしい日常では頻繁に手の込んだ料理はできないけれど、週末の家ごはんでは、調味料に凝って穏やかな食べ心地を楽しみたいもの。 今日からスタートしたこの連載では、カラダにやさしい調味料や、簡単なアレンジで味に奥行きを加えられるtipsをご紹介します。

1回目は、和食に欠かせない「お醤油」について。

これさえあれば! おすすめのお醤油3本

おいしいお醤油は、麹菌や乳酸菌、酵母などの微生物の働きでじっくりと発酵・熟成させることで生まれます。ということは、仕込む期間が長いお醤油ほど、味わい深いテイストになるということ。

そして、同じように見えるお醤油も発酵や熟成期間によってさまざまな種類にわかれていて、本来であればお料理によって使い分けるのが理想的です。けれど、たくさんの種類を揃えるのは大変! そこで、おすすめの3つをセレクトしました。

◆これさえあればという1本を選ぶなら……

丸中醤油」をおすすめします!

通常1〜1年半のところ、3年熟成の手間をかける丸中醤油は、まろやかな香りと奥行きのある味わいで、全てのお料理に相性のよいタイプです。
丸中醸造醤油300ml/756円・税込

◆JAS認証の有機では……

ヤマキ醸造」の「再仕込み隠れ旨生醤油」がおすすめ。

無農薬の豆と小麦を使用し、一度出来あがったお醤油に再度塩以外のほぼ同量の大豆・小麦などの材料を仕込み、もう1年寝かせて旨みを2倍以上にした、コクのある再仕込みタイプです。煮込み系の料理はこっくりとした仕上がりになります。
(500ml/1,310円・税込)

◆料理はあまりしないけれど、かけるだけのおいしいお醤油が欲しい人には……

加熱処理していないタイプで麹が生きている、「ヤマセン醤油」の「生揚醤油」。

容量が少量なので、短期間の使い切りにちょうどいいタイプです。

(100ml/400円・税込)

おいしくて安心・安全なお醤油をラベルで見分けるには?

お醤油の製法で「本醸造」と書いてあるもの以外は、タンパク質由来のアミノ酸液が添加されていて、「混合」「混合醸造」と表記されます。たまり醤油、再仕込み醤油、白醤油にはアミノ酸などの添加物が入っていることが多く、気になる方は、成分表示をチェックしてみてください。 大豆、小麦(米)、塩、水のみを使用しているものが安心ですね。

原材料に関して、ラベル表示に「丸大豆」とあるのは、大豆を丸ごと加えているタイプ、「脱脂加工大豆」とあるのは、大豆から油分を除き醤油用の原材料に加工されているものを指します。

脂分の多い少ないによるもので、双方に品質の差がある訳ではなく、丸大豆はまろやかさ、脱脂加工大豆はうまみやキレが特徴です。(脱脂大豆は海外で化学薬品を使って加工される事が多く、安全性に問題があるという説もあります。)

伊勢神宮でいただく神饌で作る! カンタン自家製だし醤油

私は濃口醤油、たまり醤油を常備しておき、晩秋に生揚醤油を買って季節感を味わうのが好きです。どれを選んでいいかわからない、近くにこだわりの醤油を扱うお店がないという方に、こだわりの醤油の入門セットを購入できる「職人醤油」というサイトもあります。

最近では、工場見学のできる蔵(小豆島「ヤマロク醤油」)も。旅行がてら訪れてみて、お取り寄せで同じ醤油を使い続けるのも、思い出を何度も味わうよい方法ですね。 

ちなみに私は毎年、伊勢神宮にお参りするのですが、食べ物の神様の外宮で祈祷した際に、神饌としていただく鰹節の塊を、細かく割って小さな瓶に昆布と醤油と共に入れ、ありがたい感じのする自家製だし醤油を作ります(笑)。

冷蔵庫に常備しておけば、おひたしや出し巻き卵など、だしを取らなくても奥行きのある仕上がりになります。ケータリングにも使いますが、由来を話すとお客様がとても喜ぶので、ネタの1つとしても役立っています。

photo by Thinkstock/Getty Images

(寺脇加恵)

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