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今までのマクロビオティックのイメージがちょっと変わるお話を、マクロビオティックの第一人者・久司道夫先生の講演会からピックアップしてお送りする第3回。(第1回第2回

最終回の今回は、マクロビオティックの基本食とされている穀物や野菜の思いを中心にご紹介します。

お米は一粒万倍

前回、食物にはそれぞれに思いがあって、わたしたちが食べて消化・燃焼するときにその思いが心となって表れるとご紹介しました。

では、マクロビオティックの主食である穀物・お米の場合はどうでしょう。

「わたしたちが食べるお米。その稲は、大地から上へ上へと伸びていき、枝分かれし、その先端に稲穂が実ります。一方、枝分かれした稲の根元はというと、ひとつにまとまっています。つまり、上昇のエネルギーの集まったお米を食べることによって向上心が芽生え、わたしたちはみんなつながって家族のようなものだ、という気持ちが生まれるわけです。

そして、ひとつの種から何百という粒ができる様は、一粒万倍(いちりゅうまんばい)。ひとつのものからたくさんのことを生み出し、恩に報いようという気持ちも芽生えるのです。

お米を主菜にすることを広めるのは、全世界の人たちをひとつにしていくための素晴らしい手段だと思います」(久司先生)

食べものの思いに耳を傾ける

もちろん、野菜や海草、豆類にも思いはあります。

【キャベツ】表に表さず物事を内に引きこめる、自分を見て自己反省・自己評価する、我慢をする

【ごぼう】困難に立ち向かうバイタリティ、忍耐心、強さ、頑張る気持ち

【にんじん】忍耐心、がんばりを養う、自己反省する

【大豆】安定、満足

【小豆】幸せ

【きのこ】不平を言わない、環境に適合する

【昆布・わかめ】環境に素直に順応、反抗しない、自分を見つめ自信を取り戻す、忍耐心を養う

食べものの一つひとつに思いがあるという、一見するとスピリチュアルなお話。でも、わたしたちが何気なく選んでいる食材も、いまの自分に必要な思いを持ったものを無意識に選んでいるのかもしれない……。そう思うと、食べものの思いに耳を傾けたくなってきます。

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「考えてごらん。野菜や果物たちがどんな思いを持っているのか。
 自分が食べる食べものが、単に肉体だけではなく、心を養っているのです。
 わたしたちは、食べものから思いをいただくのです」(久司先生)

最後に、久司先生の奥様の「おいしいことが第一条件。無理強いをせず、みんなで楽しめることがいちばん」という言葉もとても印象的でした。

何より、久司先生が発している雰囲気で、マクロビオティックは難しく考えるものではないのだなぁと実感。

これまで感じていた小さな壁はどこへやら。想像力を働かせて、マクロビオティック的な食べ方、考え方をしたら、毎日の生活がより一層楽しくなりそうです。

THE BIOKURA

(渡部 えみ)

photo by Thinkstock/Getty Images

取材協力・写真提供(久司先生分):ビオクラ食養本社

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