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日本の街中でも普通に見かけるようになったオーガニック食品。やや高価なオーガニック食品を、あえて選ぶべき本当の理由とは何かきになって調べてみました。

私の住むフランスでは、子供たちが毎日口にする食事には、81種類もの有害な化学物質が含まれているという報告がされています。だからこそ、ちょっと高い値段を払ってでも、オーガニック食材を使うことが、ロハスなフランス人の一般常識となりつつあるようです。

さらにスゴイのが、2012年にスタートした、学校給食で使う食材の20%をオーガニックにするという制度まであります。

フランスではどうしてここまでするかとうと、ちょっと恐い話ですが、農薬を使って育った食材を口にすると、私たちの体内にそのまま化学物質が蓄積されていくといわれています。朝食、昼食、夕食、甘過ぎずしょっぱすぎず、どんなにバランスのよい食事をしていても、ダイオキシンや水銀、ビスフェノールなど様々な物質が食材を通して一年中体に入っていくということになるのです。

フランスのある調査機関によると、これらの化学物質には不妊やがんの原因になるものもあるそうです。

また、オーガニック食材は体に良いだけでなく、土、自然のサイクル、その土地に最も適した食材を尊重して作られるものなので、自然環境にもやさしいと言えます。農薬などを使って育てる方法では、その土地で生息している昆虫類の生態系を崩すことになります。現在の化学を使った農業形態では、既に25%もの生態系が失われているという結果がでている国もあるのだとか。

さらに、私たちが飲む水を守るためにも、オーガニック栽培は良いとされています。殺虫剤、除草剤、肥料などの大量使用により、それらが川へ放出されれば、当然汚染された飲み水の処理代もかかってくるのです。

オーガニック食品はただ体に良いだけでなく、地球環境を守り、その生態系に組み込まれている私たち人間の生活の質も高めてくれるものと言えるでしょう。

生活で食べる全てのものをオーガニック食材にするのはちょっと難しい話ですが、せめて季節のもので地元の食材を選ぶことで、こういった有害物質から少しでも逃れられ、地球環境の保全に貢献できることになります。

参考:Top Santé
photo by Thinkstock/Getty Images

text by下野真緒(Mao FRANKIEWICZ SHIMONO)

simono.jpg南仏在住ジャーナリスト/エディター。東京都出身。慶応義塾大学法学部政治学科卒。女性ファッション誌編集部を経てフリーランスエディターに。パリ・南仏へ留学後、フランス南西部に移住。パリ発webmagazine・chocolatmagにて連載コラム「南仏新婚journal」、ELLE maman blog「南仏ママンのpetit palette」、GLAMサイトで「南フランスのいい予感。」ほか「シティリビング」「Aging BIBLE」にて執筆中。執筆ジャンルはフランス人の健康、美容、ライフスタイルほか、社会問題、時事ネタ。

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