130101NEWSotoso01.jpg日本のお正月のお祝い膳は「おとそ」を飲むことから始まります。

おとそとは、正式には「屠蘇延命散」あるいは「屠蘇散」といい、十種類近くの薬草を合わせたもので、もともとは中国の唐の時代に飲まれるようになった薬酒の一種です。
日本には平安時代に伝わり、宮中の元旦の儀式として取り入れられ、やがて庶民の間でもお正月の朝に飲まれるようになったそうで、飲むことで「邪気を払い、不老長寿になる」といわれています。

普通は年長者から盃をすすめるものですが、おとそは逆。年少者から年長者へと盃を順にすすめていくことで、若者の精気を年長者に渡すという意味合いが含まれているのだとか。

屠蘇散の中身は漢方薬に使われる生薬。商品によって調合は微妙に違うようですが、主な生薬と効能は以下の通りです。

白朮(ビャクジュツ):利尿作用、健胃作用、鎮静作用

山椒(サンショウ):健胃作用、抗菌作用

桔梗(キキョウ):鎮咳去啖作用、鎮静・鎮痛作用

肉桂(ニッケイ):健胃作用、発汗・解熱作用、鎮静・鎮痙作用

防風(ボウフウ):発汗・解熱作用、抗炎症作用

胃腸の調子を整えるものが多く含まれており、風邪にも効きそうですね!

おとそは、屠蘇散を日本酒かみりんに浸して作ります。すっきりとした飲み口がお好みであれば日本酒で、甘さとコクを楽しみたい場合はみりんで。日本酒とみりんをまぜて漬け込んでもOKです。

みりんを使う場合は必ず本みりんで!「みりん風調味料」は調味料として合成されたものなので、飲用には適しませんからご注意を。

日本酒を使う場合には、自然派のお酒でおとそ以外でも美味しく飲めるものなら、なおいいですよね!

日本酒はそんなに飲めないというのであれば、カップ酒を使ってもいいですね。おとそ専用の酒器がないという方は、ワイン用のカラフェで代用したりしてもいいのでは?

健やかな1年を願う薬酒の習慣、ぜひ取り入れてみたいものですね。

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[お正月ニッポンプロジェクト]

photo by Thinkstock/Getty Images

text by 中澤小百合

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nakaazawa_p.jpgビジネス系出版社を経て、フリーランスのライターに。会社員時代に酷使してしまった心と体を癒すべく、暮らしに取り入れた自然療法の魅力にはまり、現在はアロマ、ハーブ、フラワーエッセンス、各種セラピーに関する記事を主に執筆。ペット専門誌で犬のホリスティックケアや愛犬とのロハスな暮らしの提案も。日本メディカルハーブ協会認定ハーバルセラピスト。

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